“かきいろ”の漢字の書き方と例文
語句割合
柿色100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御衣は柿色かきいろのいたうすすびたるに、手足のつめけもののごとくひのびて、さながら魔王のかたち、あさましくもおそろし。そらにむかひて、一二九相模さがみ々々と、ばせ給ふ。
時が来て、半蔵は例の青い合羽かっぱ、寿平次は柿色かきいろの合羽に身をつつんで、すっかりしたくができた。佐吉はすでに草鞋わらじひもを結んだ。三人とも出かけられるばかりになった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
思い出せない——一条の板橋を渡ると、やがて左へ曲る横町にのぼりの如くつるした幾筋いくすじ手拭てぬぐいが見える。紺と黒と柿色かきいろの配合が、全体に色のない場末の町とて殊更ことさら強く人目をく。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)