“おっくう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オックウ
語句割合
億劫89.1%
臆劫8.8%
憶劫0.7%
憶却0.7%
臆怯0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪の降ったあとで郊外に住んでいる自分にはその雪解けが億劫おっくうなのであったが、金は待っていた金なのでかまわずに出かけることにした。
泥濘 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
少し都合もあって其日は行かれず、電報、手紙も臆劫おっくうだし、黙って打置うちおき、あくる日になって宇治に往った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「乗ってしまえば一時間と一寸なのだからちょいちょい出て来られそうなものでも、でもやっぱり乗るまでが憶劫おっくうになっちまうのよ、すっかり田舎者になっちゃったわ」
睡魔 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
体がいやにだるくて堪えられなかった。私は今までの異常な出来事に心を使いすぎたのだろう。何だか口をきくのも、此上何やかを見聞きするのも憶却おっくうになって来た。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
兄の答は何時いつでもこの程度以上に明瞭めいりょうになった事がない。実は明瞭に話したくないんだろうけれども、代助の耳には、それが本来の無頓着むとんじゃくで、話すのが臆怯おっくうなためと聞える。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)