“おおきず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大疵71.4%
大傷28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そういえば、この牢人者は、すこし頭脳あたまもおかしいようなあんばいで、先頃からよだれを垂らして町をふらふらしておりましてな、なにかでひどく打たれたような大疵おおきず
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この大疵おおきずを殆どそれとも分らぬ迄に癒してしまっているが、流石さすがに赭色の大ガレのみは、夏は真向から直射する強烈な日光に、冬はまた頻発するであろう雪崩の為に妨げられて
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
くびからのどへかけて、はすかいに十センチ近い、大傷おおきずを、あらっぽく糸でぬいつけてある。そんなひどい傷をおって、死ななかったのが、ふしぎである。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここは、左大臣藤原道世ふじわらのみちよ様のおやしきでございます。実は、昨日さくじつ道世様が、鞍馬くらまのお寺へ御参詣ごさんけいの途中、お車を引く牛が、あばれ出して、あなたにそんな大傷おおきずを負わせたのでした。
三人兄弟 (新字新仮名) / 菊池寛(著)