“うせつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
迂拙45.5%
雨雪27.3%
右折9.1%
迂折9.1%
迂説9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
書画、篆刻てんこくとうを愛するに至りしも小穴一游亭に負ふ所多かるべし。天下に易々いいとして古玩を愛するものあるを見る、われは唯わがさが迂拙うせつなるをたんずるのみ。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
女は暑さをも寒さをも夜闇よやみをも雨雪うせつをもいとわずに、衝動的に思い立って、それを買いに往くことがある。万引なんと云うことをする女も、別に変った木で刻まれたものでは無い。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
もとよりこれは偵知されていることなので、三千の喊声かんせいは、その黒い怒濤を右折うせつし、川に添って、松ヶ崎の下へ迫った。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
街道より迂折うせつする数百歩、たちま茅葺かやぶきの小祠堂あり、ああこれ吉田松陰の幽魂を祭る処。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
徳川の末世に及びて、勤王を唱へし徒は、朝廷尊崇をもて東照宮の遺意なるが如く説きて、幕府を責めしかど、実を知らぬ者の迂説うせつなりけり。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)