“うきもん”の漢字の書き方と例文
語句割合
浮紋100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見るとひたいの上から大粒の汗がころげ落ち、左右の肩骨が近頃めっきり高くなって、背中にピタリとついている夾襖あわせの上に、八字の皺が浮紋うきもんのように飛び出していた。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
その薄ッペラの崖壁にも、信濃金梅しなのきんばいや、黒百合や、ミヤマオダマキや、白山一華はくさんいちげの花が、刺繍をされた浮紋うきもんのように、美しく咲いている、偃松はいまつなどに捉まって、やっと登ったが
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
一年ひととせ、比野大納言、まだお年若としわかで、京都御名代ごみょうだいとして、日光の社参しゃさんくだられたを饗応きょうおうして、帰洛きらくを品川へ送るのに、資治やすはる卿の装束しょうぞくが、藤色ふじいろなる水干すいかんすそき、群鵆むらちどりを白く染出そめいだせる浮紋うきもん
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小石の浮紋うきもんが、川のおもてに綾を織っている、川は幾筋にも分れて、川鴫かわしぎという鳥が、一、二羽水の面をかすめて飛んでいる、川をざぶざぶ入って行くので、足の指先から脳天まで
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)