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いろえんぴつ
少年は、
色鉛筆と
紙を、そこへなげ
捨ててしまいました。なぜなら、
花だけをかいても、
音をかくことができません。
私は自分の「美しい村」のノオトとして
悪戯半分に
色鉛筆でもって
丹念に描いた、その村の手製の地図を、彼女の前に
拡げながら、その地図の上に万年筆で
二人はそこにあったもみくしゃの
単衣を
汗のついたシャツの上に
着て今日の
仕事の
整理をはじめた。
富沢は
色鉛筆で地図を
彩り直したり、
手帳へ書き
込んだりした。