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いひいれ
嫁に
貰はんと
言入已に
結納までも取交せしを
叩きて
案内申入ければ七右衞門の家内は夜中の事ゆゑ
不審何れの
邸よりの使にや
未だ夜の
明ざるに來る事
能々火急の用向ならんと思ひ尋ねければ郷右衞門は
據ころなき
要用にて
罷越たり七右衞門
在宿なれば
面談申度と
言入けるに七右衞門在宿に候と答へながら
出迎ひ是は
借らんと
云入しに座敷は迷惑なりと云ふ心得たりと太華
大藏の
卿五十錢札一枚を出すイザ是へと急に座敷に請じて
茶菓を