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『火つけ彦七』
ふりがな文庫
『
火つけ彦七
(
ひつけひこしち
)
』
今から廿年ばかり前に、北九州の或村はづれに一人の年老つた乞食が、行き倒れてゐました。風雨に曝され垢にまみれたその皮膚は無気味な、ひからびた色をして、肉が落ちてとがり切つた骨を覆ふてゐました。砂ぼこりにまみれたその白髪の蓬々としたひたいの下の …
著者
伊藤野枝
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「改造 第三巻第八号」1921(大正10)年7月15日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約25分(500文字/分)
朗読目安時間
約42分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
燃
(
た
)
夥
(
おびた
)
此方
(
こっち
)
年老
(
としより
)
彼方
(
あっち
)
斯
(
こ
)
閑人
(
ひまじん
)
一寸
(
ちょっと
)
若
(
も
)
疵
(
きず
)
生憎
(
あいにく
)
漸々
(
ようよう
)
枕頭
(
まくらもと
)
暫
(
しばら
)
年老
(
としと
)
尖
(
とが
)
堪
(
たま
)
埓
(
らち
)
先
(
ま
)
儘
(
まま
)
何日
(
いつ
)
何
(
ど
)