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白菊
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しらぎく
ふりがな文庫
“
白菊
(
しらぎく
)” の例文
鹿鳴館
(
ろくめいくわん
)
には
今日
(
けふ
)
も舞踏がある。
提灯
(
ちやうちん
)
の光、
白菊
(
しらぎく
)
の花、お前はロテイと一しよに踊つた、美しい「みやうごにち」令嬢だ。
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
背後
(
うしろ
)
に……たとへば
白菊
(
しらぎく
)
と
称
(
とな
)
ふる
御厨子
(
みずし
)
の
裡
(
うち
)
から、
天女
(
てんにょ
)
の
抜出
(
ぬけい
)
でたありさまなのは、
貴
(
あて
)
に気高い御簾中である。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
女
(
ひと
)
こそ、彼が永い間、探し求めて止まなかった理想の妻だったのです。……それは、まるで
白菊
(
しらぎく
)
のように清らかな
女
(
ひと
)
でした。輝やかしい
姫君
(
ひめぎみ
)
でした。彼は夢中になりました。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
斜
(
なな
)
めにうねった
道角
(
みちかど
)
に、
二抱
(
ふたかか
)
えもある
大松
(
おおまつ
)
の、その
木
(
き
)
の
下
(
した
)
をただ
一人
(
ひとり
)
、
次第
(
しだい
)
に
冴
(
さ
)
えた
夕月
(
ゆうづき
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
びながら、
野中
(
のなか
)
に
咲
(
さ
)
いた一
本
(
ぽん
)
の
白菊
(
しらぎく
)
のように、
静
(
しず
)
かに
歩
(
あゆ
)
みを
運
(
はこ
)
んで
来
(
く
)
るほのかな
姿
(
すがた
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
野
越
(
こ
)
え山越え里打ち過ぎて
合
来るは
誰故
(
たれゆえ
)
ぞ
合
さま故
合
誰故来るは
合
来るは誰故ぞ様故
合
君は帰るか
恨
(
うら
)
めしやのうやれ
合
我が住む森に帰らん我が思う思う心のうちは
白菊
(
しらぎく
)
岩隠れ
蔦
(
つた
)
がくれ
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
「さびしがっておろうの」範宴は、庭へ下りて、
籬
(
まがき
)
に咲いていた
白菊
(
しらぎく
)
を
剪
(
き
)
った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月
(
つき
)
に
沈
(
しづ
)
める
白菊
(
しらぎく
)
の
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
白菊
(
しらぎく
)
の
咲
(
さ
)
く
頃
(
ころ
)
、
大屋根
(
おほやね
)
へ
出
(
で
)
て、
棟瓦
(
むねがはら
)
をひらりと
跨
(
また
)
いで、
高
(
たか
)
く、
高
(
たか
)
く、
雲
(
くも
)
の
白
(
しろ
)
きが、
微
(
かすか
)
に
動
(
うご
)
いて、
瑠璃色
(
るりいろ
)
に
澄渡
(
すみわた
)
つた
空
(
そら
)
を
仰
(
あふ
)
ぐ
時
(
とき
)
は、あの、
夕立
(
ゆふだち
)
の
夜
(
よ
)
を
思出
(
おもひだ
)
す……そして
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
初霜
(
はつしも
)
を
避
(
さ
)
けて、
昨夜
(
さくや
)
縁
(
えん
)
に
上
(
あ
)
げられた
白菊
(
しらぎく
)
であろう、
下葉
(
したは
)
から
次第
(
しだい
)
に
枯
(
か
)
れてゆく
花
(
はな
)
の
周囲
(
しゅうい
)
を、
静
(
しず
)
かに
舞
(
ま
)
っている一
匹
(
ぴき
)
の
虻
(
あぶ
)
を、
猫
(
ねこ
)
が
頻
(
しき
)
りに
尾
(
お
)
を
振
(
ふ
)
ってじゃれる
影
(
かげ
)
が、
障子
(
しょうじ
)
にくっきり
映
(
うつ
)
っていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
また
前
(
まへ
)
に
言
(
い
)
つた、もの
凄
(
すご
)
い
暗
(
くら
)
い
夜
(
よる
)
も、
年
(
とし
)
經
(
へ
)
て、なつかしい
人
(
ひと
)
を
思
(
おも
)
へば、
降積
(
ふりつも
)
る
霰
(
あられ
)
も、
白菊
(
しらぎく
)
。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
折々
(
をり/\
)
の
空
(
そら
)
の
瑠璃色
(
るりいろ
)
は、
玲瓏
(
れいろう
)
たる
影
(
かげ
)
と
成
(
な
)
りて、
玉章
(
たまづさ
)
の
手函
(
てばこ
)
の
裡
(
うち
)
、
櫛笥
(
くしげ
)
の
奧
(
おく
)
、
紅猪口
(
べにちよこ
)
の
底
(
そこ
)
にも
宿
(
やど
)
る。
龍膽
(
りんだう
)
の
色
(
いろ
)
爽
(
さわやか
)
ならん。
黄菊
(
きぎく
)
、
白菊
(
しらぎく
)
咲出
(
さきい
)
でぬ。
可懷
(
なつかし
)
きは
嫁菜
(
よめな
)
の
花
(
はな
)
の
籬
(
まがき
)
に
細
(
ほそ
)
き
姿
(
すがた
)
ぞかし。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“白菊”の意味
《名詞》
白い花を咲かせる菊。秋の季語。
襲の色目の名で表は白、裏は蘇芳。9月から10月ごろに着用。
(出典:Wiktionary)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
菊
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
“白”で始まる語句
白
白粉
白髪
白痴
白洲
白眼
白衣
白刃
白銀
白々