うち)” の例文
酉陽雑俎いうやうざつそに、狐髑髏どくろいたゞ北斗ほくとはいし尾をうちて火を出すといへり。かの国はともあれ我がまさしく見しはしからず、そはしもにいふべし。
幕府大筒役として千石をむ井上外記正継げきまさつぐは、同役稲富喜太夫直堅いなどめきだゆうなおかた(六百五十石)と、五貫目玉五十丁うちの事から争いを構え
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
のらくらものの隙稼ひまかせぎに鑑札だけは受けているのが、いよいよ獲ものにこうずると、極めて内証に、森の白鷺を盗みうちする。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
只今はういうお身形みなりだが、前々まえ/\しかるべきお身の上のお方と存じます、左もなくて腕がなければ中々又市を一うちにお打ちなさる事は出来ぬ事でな
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
遊撃隊は三十五ノットの快速力で走りながら、腕におぼえの砲術で、胸がすくようなねらいうちをやった。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
父が流行はやりの長い刀をぶっこんでいた時分、明渡あけわたされた江戸城の守備についていた時、苑内紅葉山もみじやまに配置してある鹿の置物をねらうちにしたものもあるとかいうほどだから
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
所が、黒江くろえの辻まで来ると、運わるく、町見廻りの旦那衆にぶつかってしまったので、前とうしろの両方からはさうちを食って、さしもの和尚鉄もくくり上げられてしまったわけでさ
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
主檣メーンマストに群がる軍艦鳥を両手でパンパンとねらうちにして「アハハハハ」と高笑いしながら
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ロミオ 二はれいでもはなしませう。仇敵かたきいへ酒宴しゅえん最中さいちゅう、だましうちわしきずはしたものがあったを、此方こちからもはした。二人ふたりけたきず貴僧こなた藥力やくりきればなほる。
何の用意もなくおいしよ、よし来たと身がるに敷居を飛こゆる時、この二タまた野郎やらう覚悟をしろ、横町のつらよごしめただは置かぬ、誰れだと思ふ長吉だなまふざけた真似をして後悔するなと頬骨ほうぼねうち
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
乱打つづけうちうちければ
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
ウロウロして居る奴があるから、二人ではさうちにすると、こいつは飛んだ強い奴で、思ひの外骨を折らせました。繩を
禪師ぜんじ見給みたまひて、やがて禪杖ぜんぢやうとりなほし、作麽生そもさん何所爲なんのしよゐぞと一喝いつかつして、かれかうべうちたまへば、たちまちこほり朝日あさひふがごとせて、かの青頭巾あをづきんほねのみぞ草葉くさばにとゞまりける。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
決して正眼だの中段などという事はない、唯双方相上段に振上げて斬ろう/\と云う心ですきうかゞう、水司又市もまなこは血走って、此の小娘こあま只一うちと思いましたが、一心った孝女の太刀筋たちすじ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼女あれが別れに名殘の一うち、いたさ身にしみて思ひ出すほど嬉しく、うす氣味わるやにたにたの笑ひ顏、坂本へ出ては用心し給へ千住がへりの青物車にお足元あぶなし、三嶋樣の角までは氣違ひ街道
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うちうちければ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「飛んでもない。松の木に這ひ上がつて、部屋の中で酒を飮んで居る主人を、鐵砲で狙ひうちにするなんて、そんな大膽なことが、あの成太郎といふ人に出來るものですか」
私が居る……この朝だけ、その鷭うちめさしてはもらえないだろうか。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だれだとおも長吉ちようきちなまふざけた眞似まねをして後悔こうくわいするなと頬骨ほうぼねうち、あつと魂消たまげ逃入にげいゑりがみを、つかんで引出ひきだ横町よこてうの一むれ、それ三五らうをたゝきころせ、正太しようた引出ひきだしてやつて仕舞しまへ、弱虫よはむしにげるな
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はしばせのゆふべにひきかへて、けのわかれにゆめをのせくるまさびしさよ、帽子ぼうしまぶかに人目ひとめいと方樣かたさまもあり、手拭てぬぐひとつてほうかぶり、彼女あれわかれに名殘なごりの一うち、いたさにしみておもすほどうれしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)