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工
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たくみ
ふりがな文庫
“
工
(
たくみ
)” の例文
彫鏤の
工
(
たくみ
)
を盡したる「カミン」の火に寒さを忘れて使ふ宮女の扇の閃きなどにて、この間佛蘭西語を最も圓滑に使ふものはわれなるがゆゑに
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
飛騨の
工
(
たくみ
)
として木材の扱いに慣れた山間の飛騨人は、弘仁の頃までなお「言語容貌既に他国に異なり」と言われておった。
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
韓舎人子蒼、取りて一聯と
作
(
な
)
して云ふ、推
レ
愁不
レ
去
還
(
また
)
相覓、与
レ
老無
レ
期稍
見
(
ル
)
レ
侵
サ
と。古句に比して蓋し益〻
工
(
たくみ
)
なり。(老学庵筆記、巻八)
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
(これにもかぎらずさま/″\の術あり)雁の
居
(
を
)
る処を
替
(
か
)
ふるは
夕暮
(
ゆふぐれ
)
夜半
(
やはん
)
暁
(
あかつき
)
也、人此時をまちて
種々
(
いろ/\
)
の
工
(
たくみ
)
を
尽
(
つく
)
して
捕
(
とら
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それによって自然の
工
(
たくみ
)
の微妙さを知るに止まらず、写真や見取図などではうかがえぬ神秘が観察者に雪に対する新しい興味をもたらしてくれるであろう。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
▼ もっと見る
容貌も亦美し、
絶
(
はなは
)
だ美しと傳へらる。汝は筆を載せて從ひ來よ。若し世人の言半ば
信
(
まこと
)
ならんには、汝が「ソネツトオ」の
工
(
たくみ
)
を盡すも、これに贈るに堪へざらんとす。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
神の
工
(
たくみ
)
が削りなしけん千仞の絶壁、
上
(
うへ
)
平
(
たひら
)
に草生ひ茂りて、三方は奇しき木の林に包まれ、東に向ひて開く一方、遙の下に群れたる人家、屈曲したる川の流を見るべし。
花枕
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
見て土器を取上ず
呵々
(
から/\
)
と
打笑
(
うちわら
)
ひ將軍の
御落胤
(
ごらくいん
)
とは大の
僞
(
いつは
)
り者餘人は知らず此伊賀亮
斯
(
かく
)
の如き
淺
(
あさ
)
はかなる
僞坊主
(
にせばうず
)
の
謀計
(
ぼうけい
)
に
欺
(
あざ
)
むかれんや
片腹痛
(
かたはらいた
)
き
工
(
たくみ
)
かなと急に
立退
(
たちのか
)
んとするを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ソノ俗一変シテ文行ニ篤キ者、玉岡翁ニ始マル。翁
諱
(
いみな
)
謙。
字
(
あざな
)
子謙。別号笠翁。江都ノ人。姓ハ森氏。壮歳詩ヲ善クシ兼テ書画ニ
工
(
たくみ
)
ナリ。官ヲ
弃
(
す
)
テ
髪
(
はつ
)
ヲ削リ南総ニ客遊ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
心は
工
(
たくみ
)
なる画師のごとく、種々の五陰を造る。一切世界中、法として造らざるはなし。
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
道衍
少
(
わか
)
きより学を好み詩を
工
(
たくみ
)
にし、
高啓
(
こうけい
)
と友とし
善
(
よ
)
く、
宋濂
(
そうれん
)
にも
推奨
(
すいしょう
)
され、
逃虚子集
(
とうきょししゅう
)
十巻を世に留めしほどの文才あるものなれば、道衍や筆を執りけん、
或
(
あるい
)
は又金忠の輩や
詞
(
ことば
)
を
綴
(
つづ
)
りけん
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この間において造仏の
工
(
たくみ
)
が一段の進展をみたことは否定出来ない。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
それにしても、なんと複雑な
工
(
たくみ
)
の
綾
(
あや
)
であろうか
留さんとその女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
斧の
柄
(
え
)
を
手
(
た
)
握
(
にぎ
)
りもちて、肩かゞむ
杣
(
そま
)
の
工
(
たくみ
)
を
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
美妙の
工
(
たくみ
)
施して
燦爛
(
さんらん
)
としてかゞやける
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
そんな悪い
工
(
たくみ
)
の、根ざし深く
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
彫鏤
(
てうる
)
の
工
(
たくみ
)
を尽したる「カミン」の火に寒さを忘れて使ふ宮女の扇の閃きなどにて、この間仏蘭西語を最も円滑に使ふものはわれなるがゆゑに
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
もとは
少工
(
しょうく
)
に対する名として、
工
(
たくみ
)
の上席のものの称であった
大工
(
だいく
)
の語を、後世一般の木材建築職人に及ぼし、それでもなお不足で、その頭分を棟梁と云い
長吏名称考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
ゆゑに
縐布
(
しゞみぬの
)
といひたるを、はぶきてちゞみとのみいひつらん
歟
(
か
)
。かくて
年
(
とし
)
歴
(
ふ
)
るほどに猶
工
(
たくみ
)
になりて、地を
美
(
うつくし
)
くせんとて今の
如
(
ごと
)
くちゞみは名のみに
残
(
のこ
)
りしならん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そうしてこの歴史を調べることによっても今更に感ずるのは、
如何
(
いか
)
に自然の秘められたる
工
(
たくみ
)
は深く、人智によるその認識が遅々としているかということなのである。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
神波即山、名ハ桓、初ノ名ハ円桓、尾張甚目寺ノ僧ナリ。詩書並ニ
工
(
たくみ
)
ナリ。中興ノ初、丹羽花南ノ藩政ヲ執ルニ当ツテ大ニ文士ヲ
擢用
(
てきよう
)
ス。翁モマタ髪ヲ蓄ヘテ官ニ就ク。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
蓋
(
けだ
)
し後人
元
(
も
)
と杜詩の古今に妙絶なる
所以
(
ゆゑん
)
のもの何処に在るやを知らず、
但
(
た
)
だ一字も亦た出処あるを以て
工
(
たくみ
)
と為すも、西崑酬倡集中の詩の如き、何ぞ
曾
(
かつ
)
て一字の出処なき者あらん
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
避
(
さけ
)
んには皆殺しにするより
外
(
ほか
)
なし夫には斯々と
密
(
ひそか
)
に酒の中へ
曼多羅華
(
まんだらげ
)
といふ草を
入
(
いれ
)
惣手下
(
そうてした
)
の者へ酒一
樽
(
たる
)
與へければ
爭
(
いか
)
でか斯る
工
(
たくみ
)
のありとは思はんや
夢
(
ゆめ
)
にも知ず大に
歡
(
よろこ
)
び
頓
(
やが
)
て酒宴を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自然の力
餘
(
あまり
)
ありて人間の
工
(
たくみ
)
を加へざる處なれば、草といふ草、木といふ木、おのがじし生ひ榮ゆるが中に、蘆薈、
無花果
(
いちじゆく
)
、色紅なる「ピユレトルム、インヂクム」などの
枝葉
(
えだは
)
さしかはしたる
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
道衍の
少
(
わか
)
きや、学を好み詩を
工
(
たくみ
)
にして、濂の推奨するところとなる。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は決してそんな
工
(
たくみ
)
の
綾
(
あや
)
を織ったわけではない。
日本婦道記:桃の井戸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
斧
(
おの
)
の
柄
(
え
)
を
手握
(
たにぎ
)
りもちて、肩かゞむ
杣
(
そま
)
の
工
(
たくみ
)
を
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
彼らは所謂飛騨の
工
(
たくみ
)
で、農業の代りに木材の扱いに慣れていたが為に、その慣れた木工の業を以て賦役に当て、調庸の代りに
工
(
たくみ
)
として京都へ番上したのであった。
憑き物系統に関する民族的研究:その一例として飛騨の牛蒡種
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
雪の全種類の結晶が、気温と水蒸気の量とを変えることに
依
(
よ
)
って出来るといったのは実は少し
胡魔化
(
ごまか
)
しがあるので、自然の
工
(
たくみ
)
はなかなかそう簡単ではないようである。
雪雑記
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
第十二第十三は蘭軒の三子柏軒と茶山の養嗣子
菅
(
くわん
)
三
惟繩
(
ゐじよう
)
とである。蘭軒は柏軒の詩を茶山に
寄示
(
きし
)
した。茶山はこれを
称
(
ほ
)
めて、菅三の詩の未だ
工
(
たくみ
)
ならざることを言つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
我が
若年
(
ぢやくねん
)
のころは鮏あまたとれたるゆゑその
価
(
あたひ
)
もいやしかりしが、近年は
捕
(
とり
)
うる事
少
(
すくな
)
きゆゑ価もおのづからむかしに
倍
(
ばい
)
せり。年々
工
(
たくみ
)
を
新
(
あらた
)
にして
漁
(
れふ
)
するゆゑ捕
減
(
へら
)
したるならん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
浮世絵師
窪俊満
(
くぼしゅんまん
)
は
尚左堂
(
しょうさどう
)
と号してまた狂歌に
工
(
たくみ
)
なりき。今歌麿が『絵本虫撰』の序を見るに
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
三たび用ひて
愈〻
(
いよいよ
)
工
(
たくみ
)
。詩の窮り無きを信ず。(老学庵筆記、巻十)
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
窺
(
うか
)
がへば折節本陣より
侍
(
さぶら
)
ひ一人出來りぬれば
進
(
すゝ
)
み寄て天一坊樣には明日は
御逗留
(
ごとうりう
)
なるや又は
御發駕
(
ごはつが
)
に相成やと問けるに彼の侍ひ答て天一坊樣には明日は
當所
(
たうしよ
)
に御逗留の積なりとぞ答へたり
是
(
これ
)
は伊賀亮が兼ての
工
(
たくみ
)
にて若も酒井家より明日の
出立
(
しゆつたつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
実に
田舎漢
(
でんしやかん
)
の京の門跡を始而見候より驚申候。但し
工
(
たくみ
)
ときたな細工とを以組詰たるものにて、僕など三日も右之家に居候ものならば、大病に相成候事相違有之まじく被存候。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その中から
涌
(
わ
)
いて来る自然の
工
(
たくみ
)
の持つ一つの雰囲気は私に強い感動を与えた。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
玄機は才智に
長
(
た
)
けた女であった。その詩には人に優れた
剪裁
(
せんさい
)
の
工
(
たくみ
)
があった。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
工
常用漢字
小2
部首:⼯
3画
“工”を含む語句
工場
工合
画工
工夫
細工
大工
勧工場
石工
竣工
鍛工
工匠
工廠
蝋細工
職工
工事
寄木細工
砲兵工廠
工人
腹工合
女工
...