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屋
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おく
ふりがな文庫
“
屋
(
おく
)” の例文
かりに
帝堯
(
ていぎょう
)
をして今日にあらしめなば、いかに素朴節倹なりといえども、段階に木石を用い、
屋
(
おく
)
もまた瓦をもって
葺
(
ふ
)
くことならん。
教育の目的
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
屋
(
おく
)
の周囲を半ぶんほど巡って行くと、二つの建物をつないでいる高廊下が見え、そこの中坪らしい辺りで、ふと妻戸を開ける音がした。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大鬼
(
だいき
)
は
衣冠
(
いかん
)
にして騎馬、
小鬼
(
しょうき
)
数十
何
(
いず
)
れも
剣戟
(
けんげき
)
を
携
(
たずさ
)
へて従ふ。
屋
(
おく
)
に進んで大鬼
先
(
ま
)
づ
瞋
(
いか
)
つて呼ぶ、小鬼それに応じて口より火を噴き、
光熖
(
こうえん
)
屋
(
おく
)
を
照
(
てら
)
すと。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
最も普通の不思議は廻廊の
板縁
(
いたべり
)
の上に、偉大なる足跡を印して衆人に見せることである。或いは雪の朝に思いがけぬ社の
屋
(
おく
)
の上などにこれを見ることもあった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
(中略)世間が
夙
(
つと
)
に認めてゐることを、
尻馬
(
しりうま
)
に乗つて、
屋上
(
をくじやう
)
屋
(
おく
)
を
架
(
か
)
して見たつて、
何
(
なん
)
の
手柄
(
てがら
)
にもならない
解嘲
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
屋
(
おく
)
を造るに
巧妙
(
たくみ
)
なりし
達膩伽尊者
(
たにかそんじゃ
)
の噂はあれど
世尊
(
せそん
)
在世の御時にもかく快きことありしをいまだきかねば
漢土
(
から
)
にもきかず、いで落成の式あらば我
偈
(
げ
)
を作らん文を作らん
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
道也先生は予言者のごとく
凜
(
りん
)
として壇上に立っている。吹きまくる
木枯
(
こがらし
)
は
屋
(
おく
)
を
撼
(
うご
)
かして去る。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
都而是林友道の通覽に始て其要危をしるならん。實に是
屋下
(
おくか
)
屋
(
おく
)
を架するの
比
(
ひ
)
ならん。
他計甚麽(竹島)雑誌
(旧字旧仮名)
/
松浦武四郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんはそれが
自分
(
じぶん
)
を
見
(
み
)
に
來
(
き
)
た
兎
(
うさぎ
)
だと
知
(
し
)
つて、
屋
(
おく
)
をも
搖
(
ゆる
)
がさんばかりにガタ/\
慄
(
ふる
)
へ
上
(
あが
)
りました、
自分
(
じぶん
)
は
兎
(
うさぎ
)
よりも
殆
(
ほと
)
んど
千倍
(
せんばい
)
も
今
(
いま
)
大
(
おほ
)
きくなつて
居
(
ゐ
)
るのだから
何
(
なに
)
も
怖
(
おそ
)
れる
理由
(
わけ
)
はないのですが
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そして、かねて準備しておかれた川崎在平間村の一
屋
(
おく
)
に入った。ここに十日間ばかり滞在して、江戸の情勢を
窺
(
うかが
)
っていたが、
差閊
(
さしつか
)
えなしと見て、十一月の五日にはとうとうお膝元へ乗りこんできた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
蒸気の笛、ほとんど名状すべからざる、都門一場の光景は
一重
(
ひとえ
)
の
硝子
(
がらす
)
に隔てられてビイヤホールの内は物色沈々、さすがに何となく
穏
(
おだや
)
かならぬ宇宙の
気勢
(
けはい
)
の、
屋
(
おく
)
を圧して刻々に迫るを覚ゆる、これが
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
風雨の声
屋
(
おく
)
をめぐりて騒がし。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
この新しい芽ばえの宗教、浄土宗の
屋
(
おく
)
を吹きめぐる木枯しは、三十六峰の風ばかりではない。おそろしい法敵がほかにはある。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かの
)
邦
(
くに
)
の制、天子の
屋
(
おく
)
は、
葺
(
ふ
)
くに
黄瓦
(
こうが
)
を以てす、旧瓦は用無し、まさに黄なるに
易
(
かわ
)
るべし、といえる道衍が一語は、時に取っての活人剣、燕王宮中の士気をして、
勃然
(
ぼつぜん
)
凛然
(
りんぜん
)
、
糾々然
(
きゅうきゅうぜん
)
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
鞍馬の
御曹子
(
おんぞうし
)
に告げたらば、さだめし、一人の源家の味方がふえたと、力づよくも思われよう。すると、奥まった東の
屋
(
おく
)
で
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
而
(
しか
)
も王
猶
(
なお
)
屈せず、衝撃
愈
(
いよいよ
)
急なり。
会
(
たまたま
)
また
暴飇
(
ぼうひょう
)
起り、
樹
(
き
)
を
抜
(
ぬ
)
き
屋
(
おく
)
を
飜
(
ひるがえ
)
す。燕軍之に乗じ、傑等
大
(
おおい
)
に
潰
(
つい
)
ゆ。燕兵追いて真定城下に至り、
驍将
(
ぎょうしょう
)
鄧戩
(
とうしん
)
、
陳鵰
(
ちんちゅう
)
等を
擒
(
とりこ
)
にし、
斬首
(
ざんしゅ
)
六万余級、
尽
(
ことごと
)
く軍資器械を得たり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「気がかりなのは、千蛾殿のいる、北の
屋
(
おく
)
の一室です。——あの辺りで、何かふしぎな物音が聞こえましたので、それで目をさましましたので」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わが
家
(
や
)
も同じようにしている館なので、わざと、式台にはかからずに、
網代垣
(
あじろがき
)
をめぐって、東の
屋
(
おく
)
の
苑
(
にわ
)
へはいると
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほかの雑人たちと一つに、舎人の
屋
(
おく
)
の板じきに、素むしろを敷き、蚊に喰われ、奴僕生活の貧しい中にあっても、小次郎の夢には、未来が自由に描かれた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あちらの女どもの
屋
(
おく
)
へ渡らせて、
双六
(
すごろく
)
か
扇投
(
おうぎな
)
げでもなされては如何。
盛姫
(
もりひめ
)
に
催馬楽
(
さいばら
)
を見しょうとて、町より
白拍子
(
しらびょうし
)
を呼び集め、
賑
(
にぎ
)
やかに遊んでおるらしいが」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
堂のうしろでふいに、すさまじい人声がし、あきらかに敵と察しられる
怒濤
(
どとう
)
が
屋
(
おく
)
を揺すっていた。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
離室
(
はなれ
)
、
亭
(
ちん
)
、すべてが旧家の
燻
(
くす
)
みと大まかな深さを持っていて、それを
繞
(
めぐ
)
る松はみな背が高く、
屋
(
おく
)
を越してこの家の富貴を
奏
(
かな
)
でてはいるが、下へかかって来る客へ対して
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
導かれてそこに到れば、
長松大柏
(
ちょうしょうたいはく
)
は
森々
(
しんしん
)
と
屋
(
おく
)
をおおい、南国の
茂竹
(
もちく
)
、
椰子樹
(
やしじゅ
)
、紅紫の奇花など、
籬落
(
りらく
)
として、異香を風にひるがえし、おもわず恍惚と
佇
(
たたず
)
み見とれていた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幾日かの解放をゆるされたように、いそいそして、母屋から遠くの
屋
(
おく
)
で、独りぼッち、眠った。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋
(
おく
)
の西に、木につつまれた
一棟
(
ひとむね
)
がある。昼寝でもするつもりか、大股に、つとそこへ這入ると
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
例の老軍卒が彼をみちびいて、監房
隧道
(
トンネル
)
から、陽の目のある階段を先に登って行った。いよいよ土牢行きかな? 思っていると、さにあらず、
清洒
(
せいしゃ
)
な一
屋
(
おく
)
の明るい部屋だ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋
(
おく
)
のまわりは、降るような物音だ。郎党たちが、
厩
(
うまや
)
から馬をひき出し、土倉から武器、
松明
(
たいまつ
)
など取り出して、しかりあい、わめきあいしながら、
気負
(
きお
)
いを
作
(
な
)
しているらしい。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
庭はすぐ裏の鶴ヶ岡を容れ、落つる水は、放生池の流れへそそぎ、風ともなく、自然の音楽が
屋
(
おく
)
を
繞
(
めぐ
)
って吹き、その微妙な
奏
(
かな
)
でに独りの客も、しばしは飽かぬ心地の中だった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何しろ古い様式の建物で、中の
屋
(
おく
)
、北の屋、東の屋、と棟もべつに、中庭から
橋廊下
(
はしろうか
)
をへだてているので、これ以上なことがあっても、滅多に客間や
詰
(
つめ
)
侍の部屋までは分るはずがない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、あらためて、
屋
(
おく
)
の後ろの
岩湧山
(
いわわきやま
)
や、前面の金剛、葛城の峰々を見まわした。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの塀の上に、ぽっと明りが
映
(
さ
)
してるだろ。あそこが北の
屋
(
おく
)
で、ちょうど、お通さんが寝ている部屋があの辺なんだぜ。……あの灯りは、お通さんが起きて待っている灯りかも知れないね」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
広い邸内を庭づたいに走り、「西の
屋
(
おく
)
」の陽あたりのよい
一間
(
ひとま
)
を覗いて
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『さりとは迷惑な。この貧しき
屋
(
おく
)
へ、
白拍子
(
しらびょうし
)
でも、呼べとやいわるる』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秋とはいえ
屋
(
おく
)
の内は、まだ蒸し暑い気もする八月の夜なのである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わしが調べる。西の
屋
(
おく
)
で見よう。すぐ
曳
(
ひ
)
いて来い」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屋上
(
おくじょう
)
、
屋
(
おく
)
を
架
(
か
)
す。という語がある。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“屋”の意味
《名詞》
(オク:以下の成句で)やね。
(出典:Wiktionary)
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“屋”を含む語句
小屋
料理屋
部屋
茅屋
魚屋
家屋
屋上
問屋
茶屋
屋内
居酒屋
芸妓屋
古本屋
宿屋
屋外
女郎屋
掛茶屋
本屋
牛乳屋
部屋着
...