太吉たきち)” の例文
かのそそくさ男を始めとして女中ども一同旦那さま御新造様ごしんぞさまと言へば、応々おいおいと返事して、男の名をば太吉たきち太吉と呼びて使ひぬ。
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また、来年らいねんいねみのるころになると、太吉たきちじいさんは、あたらしいかがしをつくりました。去年きょねん子鳥ことりたちはもう親鳥おやどりとなって、おなじように、その子供こどもたちにかって
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
従つて是は要吉であつて、明吉めいきちでも太吉たきちでも半吉はんきちでもないといふ特殊の性格を与へてゐない。
『煤煙』の序 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
登場人物——重兵衛じゅうべえ太吉たきち。おつや。旅人。巡査。青年甲、乙。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何分なにぶん此頃このごろ飛出とびだしがはじまつてわしなどは勿論もちろん太吉たきちくら二人ふたりぐらゐのちからでは到底たうていひきとめられぬはたらきをやるからの、萬一まんいち井戸ゐどへでもかゝられてはとおもつて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
太吉たきちじいさんは、百しょうが、かさをかぶって、ゆみってっている、かがしをつくる名人めいじんでした。それをると、からすやすずめなどが、そばへりつきませんでした。
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
おいたはしきこととは太吉たきちひぬ、おくらへり、こゝろなきおさんどんのすゑまでぢやうさまにつみありとはいさゝかもはざりき、黄八丈きはちぢやうそでなが書生羽織しよせいばおりめして
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これをきいて、太吉たきちじいさんは
からすとかがし (新字新仮名) / 小川未明(著)
糸織いとおり小袖こそでかさねて、縮緬ちりめん羽織はおりにお高祖頭巾こそづきんせいたかひとなれば夜風よかぜいと角袖外套かくそでぐわいとうのうつりく、ではつてますると店口みせぐち駒下駄こまげたなほさせながら、太吉たきち
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いまびたからとて甲斐かひはなしと覺悟かくごして、太吉たきち太吉たきちそばんで、おまへとゝさんのそばかゝさんと何處どちらい、ふてろとはれて、おいらはおとつさんはきら
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
太吉たきち小僧こぞうひとさしゆびさきいて、おふねこぐ眞似まねせいみせしなをばちよろまかされぬやうにしておれ、わたしかへりがおそいやうならかまはずとをばおろして
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手前てまへぬからとて乞食こじきにもなるまじく太吉たきち手足てあしばされぬことはなし、けてもれてもれがたなおろしかおりきへのねたみ、つくづくきてもうやにつた
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もう日が暮れたに太吉たきちは何故かへつて来ぬ、源さんも又何処どこを歩いてゐるかしらんとて仕事を片づけて一服吸つけ、苦労らしく目をぱちつかせて、更に土瓶どびんの下を穿ほぢくり
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
馬鹿野郎ばかやらうよばはりは太吉たきちをかこつけにれへのあてこすり、むかつて父親てゝおや讒訴ざんそをいふ女房にようぼう氣質かたぎれがおしへた、おりきをになら手前てまへ魔王まわう商買人しようばいにんのだましはれてれど
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
八百屋やをやきちらう大工だいく太吉たきちがさつぱりとかげせぬがなんとかせしとふにこのけんであげられましたと、かほ眞中まんなかゆびをさして、なん子細しさいなく取立とりたてゝうわさをするものもなし
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
醫者いしや心安こゝろやすきをまねいへぼく太吉たきちといふがりてこゝろまかせの養生やうじやう一月ひとつきおなところすまへば物殘ものゝこらずいやになりて、次第しだいやまひのつのることおそろしきほどすさまじきことあり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)