いう)” の例文
実にいうにやさしき者が純熱一すじによって、火焔の如く、瀑布の如く猛烈たり得る活ける例証をわれわれは日蓮において見得るのである。
ドリヷルは梅原がいうの𤍠心な崇拝者であることを告げて、いうふんする「エジプ王」の如きは三十回以上も見物して居ると語つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
自分は独逸によつて今日迄鼓吹こすゐされた軍国的精神が、その敵国たる英仏に多大の影響を与へた事をいうに認めると同時に、この時代錯誤的精神が
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
瀧口、『いうに哀れなる御述懷、覺えず法衣をうるほし申しぬ。るにても如何なれば都へは行き給はで、此山には上り給ひし』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
師匠の鶴吉とどんな事になつて居るか、金遣かねづかひはどうか、おいうとの間はどんな事になつて居るか。——待つてくれ、それから書き役の又六の方も調べるんだ。
送しにおもせも文右衞門が男ぶりいうやさしく甲府の中にも多く有まじき樣子やうすまよつひに人知ず返書へんしよを取りかはし二世のちかひを立たりけり然るにおもせの親五郎右衞門は此こと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
キヤツとさけびてたふるゝを、見向みむきもやらずとほりしは、いうにやさしきひとの、黄楊つげくしくちびるくはへしなり。うらぶれし良家りやうかむすめの、ちゝ病氣いたつきなるに、夜半よはへるみちなりけり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我はこの時かのさち多きむれ先手さきての、容端かたちたゞしく歩履あゆみいうにこなたに進み來るをみたり 八五—八七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さてもこのみのくまでに上手じやうずなるか、たゞしは此人このひとひし果報くわはうか、しろかね平打ひらうち一つに鴇色ときいろぶさの根掛ねがけむすびしを、いうにうつくしく似合にあたまへりとれば、束髮そくはつさしのはな一輪いちりん中々なか/\あいらしく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
アカイア人の數いうに城内すめるトロイアの
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
いうなる姿に倒れ伏して
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
見よかの大空姿いう
感謝 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
いうなる姿すがたつるゝよ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
太刀よりいうに拵へて
女子をなごいのち只一たゞひとつの戀、あらゆる此世の望み、樂み、さてはいうにやさしき月花つきはなの哀れ、何れ戀ならぬはなし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
梅原が近頃エジプ王を訳したが其れにいうの型をかき加へて日本へ紹介するつもりだと言ふと、ムネ・シユリイは喜んで「型のわからない所があつたら自分に聴いてれ」
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
お千世の饒舌ぜうぜつも其の問ひには容易に應へられさうもありません。それからおいうの聟や、この家の跡取のことも訊きましたが、お千世はこの問題にもあまり觸れ度くない樣子です。
落着おちついてると……「あゝ、この野中のなかに、いうにやさしい七夕たなばたが……。」またあわてた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見て愛惡あいをの心生ずるは是人情なり然すれば知らず/\依顧贔屓えこひいき沙汰さたにも成ゆくにより心に親疎しんそのなきやうにとねむりて訴訟を聽れたりとぞ何さま容貌かほかたいうにやさしく見えると雖も心に惡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いうれい立替たてかへつぐなふに金額きんがくだから心配しんぱいしなくてもいとあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鄙歌ひなうたいうにうたひなば
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
地震なゐをどりいうなれば
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
たがひぞとて御優おやさしき御詞おことばわれもしきりにうれしくてたづぬるひとありとこそあかさゞりしが種々いろ/\との物語ものがたり和女そなた母御はゝご斯々かく/\ひとならずやとおもらぬ御問おとまことかぞなんとして御存ごぞんじとへばわすれてるべきか和女そなたれとは兄弟きやうだいぞかしれは梨本なしもというなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
美しい娘のおいうが、昨夜眞夜中過ぎ、何者とも知れぬ曲者に襲はれて、短刀で二度まで刺され、床から拔け出して氣を喪つたところを、隣の部屋に寢てゐる繼母のお千世に見付けられ
近江の追分おひわけなどが我我われわれ二等客の選手のいうなるものであつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
其間そのあひだうをみんないう々とおよいでてあるいてますわ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)