“扮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふん55.6%
なり12.6%
7.4%
つく6.7%
やつ5.2%
こしら2.2%
いでた1.5%
いでたち1.5%
よそお1.5%
ヤツ1.5%
いで0.7%
こし0.7%
つくろ0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その日はその翌日から上演されるはずのカルメンの舞台稽古けいこがあったのです。そして妾はカルメンにふんすることになっていたのです。
華やかな罪過 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
折角せっかくお美乃が嫁入りするんだぜ、そのなりで高砂やアでもあるめエ。——これで間に合わなきゃ、またなんとかするぜ」
何とかといふ狐使ひの悪者につて長髪で現れ、祠の前で法を結んでゐるところまで観て、失敬し、帝劇のカーピ・オペラにも行つたが
川蒸気は昔のまゝ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
葬式とむらい彦は一生懸命、合羽をつぶに引っかけて身軽につくっているとは言うものの、甚右衛門は足が早い。ともすれば見失いそうになる。
「あなたはあの人のいどころを捜していらっしゃる、そのためにそんな姿に身をやつして、ずっとこの辺を歩きまわっていらっしゃるのでしょ」
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それにこの頃少しも高座へ出ないが生活も悪くないと見えてチャンとしたこしらえをしていた。艶々と顔も張り切っていた。少なからず私は安心した。
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)
プロレタリア文学の流行と共に、赤大根と蔑称されたプロ文学青年氾濫し、競つて彼らはルパシカ姿にいでたつては大道狭しと闊歩した。
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
「そのいでたちでコソコソとお留山へ登ろうと言うのは、怪しい奴に相違あるまい、ひと詮議してやる、来い」
天保の飛行術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「汝ら武士によそおってはおれど、大奥に仕うる女ばらと見たれば、先夜はわざと峰打ちにして生命ばかりは助けたれど、今宵は一人も遁がさぬぞよ」
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
男の方は老翁になり、女の方は老媼にヤツし、敵中を抜けて、使命を果しました。此は、常世人の信仰があつたから出来た物語です。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ふと皆鶴みなづる姫にいでたちました乙女おとめの姿をながめたとき、私の心はまるで夢現になってしまったのでございます。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
社會の現象、時代の傾向は國民大多數の心理を示すものだから、つまりう云ふ風な表面の體裁ばかりつくろつて居る市街の外觀は、一個人の生涯とすれば恐しい道徳の廢頽だと思はなければならない。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
気がついたかね、赤星君、酷いめに会ったなあ、僕はよもや君が本田という学生にけているとは思わなかった。怪我をしているのは赤星刑事ですよって云われて驚いて来たんだが、——君は犯人を
鳩つかひ (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
かかる賤しき油売の姿にわが身をつしてあれば
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
遠来の神の居る間に、新しく神役——寧、神にる——を勤める様になつた未受戒の成年に戒を授けて、ワラベの境涯から脱せしめる神秘を、行うて置くのであつた。
組踊り以前 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)