“ふん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フン
語句割合
45.5%
32.5%
10.0%
1.7%
1.7%
1.3%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにまた早くその辺へ野宿と極め込んでまずヤクのふんとキャンという野馬の糞を拾う必要がある。それをまきにするのでござります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
あるいは藍微塵あいみじんあわせ格子こうし単衣ひとえ、豆絞りの手ぬぐいというこしらえで、贔屓ひいき役者が美しいならずものにふんしながら舞台に登る時は
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すべて、海上かいじやう規則きそくでは、ふね出港しゆつかうの十ぷん乃至ないし十五ふんまへに、船中せんちうまは銅鑼どらひゞききこゆるととも本船ほんせん立去たちさらねばならぬのである。
蜥蜴よりもずつと立體的な感じで、頭が大きく、尾が長く捲き、寒さで元氣が無いらしいが、それでも、眞蒼な前肢で、しかつめらしく綿をふんまへてゐる。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
女のつけた振袖に、ふんたる模様の尽きて、是非もなき磨墨するすみに流れ込むあたりに、おのが身の素性すじょうをほのめかしている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
氣持の上だけにしろふん切りをつけるまでには、駿介は尚よほどの思考と感情の浪費を續けなければならなかつた。
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
「水道橋まで歩行くが可い。ああ、酔醒えいざめだ。」と、衣紋えもんゆすって、ぐっと袖口へ突込んだ、引緊ひきしめた腕組になったと思うと、林檎りんごの綺麗な、芭蕉実バナナふんと薫る、あかり真蒼まっさお
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道理で何だかこうふんしていると思った。君は平常ふだんから少し神経過敏の方だ。それがそうこうふんしちゃ身体に触るね。ちっと落ついたらどうだ。
疑惑 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
之を小歌に擬し、下宿屋の女主あるじふんす。著者の眼中、社界の腐濁を透視し、人類の運命が是等の魔毒に接触する時に如何いかになる可きや迄、甚深に透徹す。是点より観察すれば著者は一個の諷刺家なり。
里中、三ふん、塁として相似たり
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上の新道しんみちを行くのであって、この旧道を突切つっきれば、萩の株に狼のふんこそ見ゆれ、ものの一里半ばかり近いという、十年の昔といわず、七八年以前までは駕籠かご辿たどった路であろう。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唐の開元年中、郭元振かくげんしんしんの国を出てふんの方へ往った。彼は書剣を負うて遊学する曠達こうたつな少年であった。
殺神記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私共は親子連の順礼とあとになりさきになりして、松葉の香をふんで通りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
〔譯〕ふんの一字、是れ進學しんがく機關きくわんなり。しゆん何人なんぴとぞや、われ何人ぞや、まさに是れふん
張華は「三尺以上為糞、三尺以下為地」とも云つてゐる。ふんも亦爾雅じがに「瀵大出尾下」と云つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
秦の士に古物こぶつを好むものがあつた。魯の哀公のむしろを買はむがために田を売り、太王ふんを去る時のさくを買はむがために家資を傾け、舜の作る所の椀を買はむがために宅を売つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)