“芬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぷん83.6%
ふん3.6%
かを3.6%
かほり1.8%
かをり1.8%
にほひ1.8%
ぶん1.8%
1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
停車場ステエションうしろは、突然いきなり荒寺の裏へ入った形で、ぷんと身にみるの葉のにおい、鳥の羽ででられるように、さらさらと——袖が鳴った。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もっともコンナのはその中でも特別あつらえの一例だがね……呉モヨ子は、ふん夫人の心理を夢中遊行で繰り返すと同時に、その姉のたい夫人が
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
頑石笑つて且歌ひ、枯草花さいて、しかもかをる、獅子は美人が膝下に馴れ大蛇は小児の坐前に戯る、朔風暖かにして絳雪かうせつ香しく、瓦礫ぐわれき光輝を放つて盲井醇醴まうせいじゆんれいを噴き
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
足がけツたるいので、づいと伸ばして、寐がへりを打つ、體の下がミシリと鳴ツて、新しい木綿もめんかほりが微に鼻をツた。眼が辛而やつと覺めかかツて來た。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
それに何んのかをりだか解りませぬが、好い芬が其處ら一杯にかをつているので、自分は螢谷には、魔の者が棲むでゐるのでは無く、仙人が棲むでゐるのでは無いかと思つてゐた。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
建物の後は、にれやらならやら栗やら、中にうるしの樹も混ツた雜木林で、これまた何んのにほひも無ければ色彩も無い、まるで枯骨でも植駢うゑならべたやうな粗林だ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
が、縄目は見る目に忍びないから、きぬを掛けたこのまま、留南奇とめきく、絵で見た伏籠ふせごを念じながら、もろ手を、ずかと袖裏へ。驚破すわ、ほんのりと、暖い。ぶんと薫った、石の肌のやわらかさ。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)