“船中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんちう45.5%
せんちゆう18.2%
せんちゅう9.1%
ふね9.1%
ふねじゅう9.1%
ふねぢう9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すべて、海上かいじやう規則きそくでは、ふね出港しゆつかうの十ぷん乃至ないし十五ふんまへに、船中せんちうまは銅鑼どらひゞききこゆるととも本船ほんせん立去たちさらねばならぬのである。
かくてやうや明日あすの朝薩摩富士の見ゆべしと云ふ海にきたさふらふ。これにて船中せんちゆうふでとどめ申しさふらふ。かしこ。(十月廿七日)
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
しかしいかほど深い感慨に沈められても種彦は今更それをば船中せんちゅうのものに向って語り聞かせるわけには行かぬ。よし話すにしてもこの場合思うように打明けて語り得られるものではない。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「いいや、それは違う、断じて違う」とラエーフスキイは歎息して、「船中ふねで一緒になった或る学者から聞いたことだが、黒海には動物フォーナがきわめて乏しいそうだ。 ...
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
船中ふねじゅうで云うとるらしい。水夫のかねの野郎が代表で談判に来た。ツイ今じゃった」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
船頭は一人で、舟は細長い東京辺では見た事もない恰形である。さつきから船中ふねぢう見渡すが釣竿が一本も見えない。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)