ふん)” の例文
一六いちろく三五さんご采粒さいつぶかの、はい、ござります。』とすみかべ押着おつゝけた、薬箪笥くすりだんすふるびたやうな抽斗ひきだしけると、ねづみふんが、ぱら/\こぼれる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
上の新道しんみちを行くのであって、この旧道を突切つっきれば、萩の株に狼のふんこそ見ゆれ、ものの一里半ばかり近いという、十年の昔といわず、七八年以前までは駕籠かご辿たどった路であろう。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)