“艷”のいろいろな読み方と例文
新字:艶
読み方割合
つや44.4%
えん29.6%
あで11.1%
つやゝか3.7%
なまめ3.7%
なまめか3.7%
やさし3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
艷(つや)の消された水色と、灰色がかって爽やかな緑で調和している風景は、車窓から眺めている伸子にシャヷンヌの色調を思い出させた。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
兎角(とかく)は一押(いちおし)、と何處(どこ)までもついて行(ゆ)くと、其(そ)の艷(えん)なのが莞爾(につこり)して、馭者(ぎよしや)には知(し)らさず、眞白(まつしろ)な手(て)を青(あを)い袖口(そでくち)、ひらりと招(まね)いて莞爾(につこり)した。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
肩(かた)を細(ほそ)く、片袖(かたそで)をなよ/\と胸(むね)につけた、風通(かぜとほ)しの南(みなみ)へ背(せ)を向(む)けた背後姿(うしろすがた)の、腰(こし)のあたりまで仄(ほのか)に見(み)える、敷居(しきゐ)に掛(か)けた半身(はんしん)で帶(おび)と髮(かみ)のみ艷(あで)やかに黒(くろ)い。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
土手(どて)の霞(かすみ)暮(く)れんとして、櫻(さくら)あかるき三(み)めぐりあたり、新(あたら)しき五大力(ごだいりき)の舷(ふなばた)の高(たか)くすぐれたるに、衣紋(えもん)も帶(おび)も差向(さしむか)へる、二人(ふたり)の婦(をんな)ありけり、一人(ひとり)は高尚(かうしやう)に圓髷(まげ)ゆひ、一人(ひとり)は島田(しまだ)艷(つやゝか)也(なり)。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
世に艷(なまめ)かしき文てふものを初めて我が思ふ人に送りし時は、心のみを頼みに安からぬ日を覺束なくも暮らせしが、籬に觸るゝ夕風のそよとの頼(たより)だになし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そこへしどけなく亂れた袴や袿(うちぎ)が、何時もの幼さとは打つて變つた艷(なまめか)しささへも添へてをります。これが實際あの弱々しい、何事にも控へ目勝な良秀の娘でございませうか。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
送しにおもせも文右衞門が男振(ぶり)優(いう)に艷(やさし)く甲府の中にも多く有まじき樣子(やうす)に迷(まよ)ひ終(つひ)に人知ず返書(へんしよ)を取り交(かは)し二世の誓(ちかひ)を立たりけり然るにおもせの親五郎右衞門は此事(こと)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)