“落着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おちつ44.2%
らくちゃく16.8%
らくぢゃく15.0%
おちつき14.2%
らくちやく3.5%
おさまり1.8%
らくぢやく0.9%
おちつい0.9%
おちつく0.9%
なりゆき0.9%
らくじゃく0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日が小豆島のむこうに落ちたと思うと、あらぬかたの空の獅子雲が真赤まっかに日にやけているのを見る。天地が何となく沈んで落着おちついて来る。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
番頭脇坂山城守は、不取締りの故をもって一件落着らくちゃくまで閉門謹慎へいもんきんしんを仰せつかっている。番士一同もそれぞれ理由に就いて詮議せんぎを受ける。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それで犯人は一も二もなく恐れ入って、裁判はすぐに落着らくぢゃくしたので、丁はそれを上官の姚忠粛に報告すると、姚もまたすこし考えていた。
もしみぎのような性質せいしつ心得こゝろえてゐると、こゝろ落着おちつき出來できるため、危急ききゆう場合ばあひ機宜きゞてきする處置しよち出來できるようにもなるものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
やす消光おくらす可し是にて一件落着らくちやくしたりと述給ふ程に小役人は落着らくちやく一同立ませいと諸聲もろごゑあはして言にける實にくもりなき裁判さいばんは人を損せず理を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
忌々いまいましいとは思うけれど、ばばあの云うことはたしか真実ほんとうである。市郎も少しくひるんだが、ここで弱味を見せては落着おさまりが付かない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
追返おひかへし不實のうへとがなき者を盜賊人殺と麁忽そこつうつたへをなすことはなはだ以て不屆ふとゞきなり屹度きつと曲事きよくじに申付べき所なれども娘菊が孝貞かうていに免じ汝が越度をちど差免さしゆるすなり落着らくぢやくの後は娘菊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
飮ながら何だびく/\するな何故なぜ其樣そんなふるへるぞコレ酒がこぼれるぞ落着おちついつぐがよい汝も酒がすきだ一ぱいあひをせよサア/\其茶碗ちやわんがいゝ夫で二三ばいのむべしと酒をついでやり後で飯もくふがよい今に拙者が手前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
居たらまた何とする。「やい、やい、馬鹿落着に落着おちつくない。亭主の許さぬ女房をかくしておけば姦通まおとこだ。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ト、その日は怒りを忍びて帰りぬ。——畢竟ひっきょうこの猿は何者ぞ。また狐罠の落着なりゆき怎麼いかん。そは次のまきを読みて知れかし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かれらは生きた山椒の魚を買ってどうするのかと思いながら、僕はその落着らくじゃくを見とどけずに内へはいってしまったが、学生たちは大きい声でげらげら笑っていた。
山椒魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)