“おちつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
落着29.1%
落付25.5%
沈着23.6%
落著9.1%
沈静5.5%
泰然3.6%
落附3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
結句は、「真熊野の船」という名詞止めで、「棚無し小船」などの止めと同じだが、「の」が入っているので、それだけの落着おちつきがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
須磨子は雪国の信濃に生れただけあつて、降り積る雪を押し分けて香ぐはしい顔を持ち上げる高原の花のやうな落付おちつきと根強さとを持つてゐた。
老年らしい沈着おちつきをもった父の様子に、半蔵もやや心を安んじて、この宿場の改革が避けがたいというのも一朝一夕に起こって来たものではないことや
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ファッツ平気で象のしかばねっており、落著おちつき払ってちょっと突いたらこの通り象はからだが大きいが造作もなく殺さるるものをと言う、国王叡感斜めならず、即時彼を元帥とされた
壺のやうに小さな茶室に有り余るほどゆつたりとした余裕ゆとり沈静おちつきとを与へ、そこにゐる主客いづれもの気持に律動と諧調とを生みつけ、また日毎にめまぐるしくなりゆく現実の生活とは異つた
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
十兵衞が出掛けてまゐるにも及びませぬ、圓道様にも爲右衞門様にも左様云ふて下され、大丈夫、大丈夫でござります、と泰然おちつきはらつて身動きもせず答ふれば、七藏少し膨れ面して
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
はやるほどなほ落附おちつきてお友達ともだちたれさま御病氣ごびやうきときく格別かくべつなかひとではあり是非ぜひ見舞みまひまをしたくぞんじますがと許容ゆるし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)