“おちつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
沈着35.4%
落着31.1%
落付14.3%
落著11.2%
落附2.5%
沈静2.5%
沈著1.2%
沈重0.6%
冷静0.6%
安堵0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生徒も心を沈着おちつけて碌々ろく/\勉強することが出来ないといふ風だ。でも此節はいくらか慣れて、斯の混雑の中で、講義を続けることが出来る。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかし段々だんだん落着おちつくにしたがって、さすがにミハイル、アウエリヤヌイチにたいしてはどくで、さだめし恥入はじいっていることだろうとおもえば。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
じっ蒲団ふとんの上に落付おちついていられない彼女は、枕を外して右を向いたり左へ動いたりした。男の健三には手の着けようがなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なく答えはいたしまするものゝ、その慌てゝ居ります様子は直ぐ知れます、そわ/\と致してちっとも落著おちついては居ません。
乾燥かんさうしてこなためせて女房等にようばうらしきりにせきをした。彼等かれらけおりて手桶てをけみづをがぶりとんでやうやむね落附おちつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かならず大切だいじにせい軽挙かるはずみすなとおっしゃるは知れたこと、さあ此衣これを着て家に引っみ、せめて疵口くちのすっかり密着くっつくまで沈静おちついていて下され、とひたすらとどめなだめ慰め
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大人おとなのやうに沈著おちついて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「竹内君は来ておいでですかね」と低い声の沈重おちついた調子でたずねた。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「大に賛成ですなア」としずか沈重おちついた声で言った者がある。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
死地に引かれて行く種牛はむし冷静おちつき澄ましたもので、他の二頭のやうに悪踠わるあがきるでも無く、悲しい鳴声をらすでも無く、僅かに白い鼻息を見せて、悠々いう/\と獣医の前へ進んだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ヂュリ なに、あの、其方そなたなぐさめで不思議ふしぎこゝろ安堵おちついた。おくて、母樣はゝさまうてたも、父上ちゝうへ御不興ごふきょうけたゆゑ、懺悔ざんげをしてつみゆるしてもらはうとて、ロレンスどのゝ庵室あんじつへわしがんだと。