泰然おちつき)” の例文
明日の朝参上あがらうとおもふて居りました、といへばぢろりと其顔下眼に睨み、態と泰然おちつきたる源太、応、左様いふ其方の心算つもりであつたか、此方は例の気短故今しがたまで待つて居たが
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
十兵衞が出掛けてまゐるにも及びませぬ、圓道様にも爲右衞門様にも左様云ふて下され、大丈夫、大丈夫でござります、と泰然おちつきはらつて身動きもせず答ふれば、七藏少し膨れ面して
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
大丈夫でござります、と泰然おちつきはらって身動きもせず答うれば、七蔵少しふくつらして、まあともかくも我と一緒に来てくれ、来て見るがよい、あの塔のゆさゆさきちきちと動くさまを
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
十兵衛は不束ふつつかに一礼して重げに口を開き、明日の朝参上あがろうとおもうておりました、といえばじろりとその顔下眼ににらみ、わざと泰然おちつきたる源太、おお、そういう其方そちのつもりであったか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)