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仕
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つかまつ
ふりがな文庫
“
仕
(
つかまつ
)” の例文
仕
(
つかまつ
)
りますが、吸物椀の中にあるのはいつも牛蒡と定っております。それで雁の吸物とは牛蒡の吸物のことで、お鷹狩りとは牛蒡狩りを
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「恐れ……
恐多
(
おそれおお
)
い事——
承
(
うけたまわ
)
りまするも恐多い。
陪臣
(
ばいしん
)
の
分
(
ぶん
)
を
仕
(
つかまつ
)
つて、御先祖様お名をかたります如き、
血反吐
(
ちへど
)
を
吐
(
は
)
いて即死をします。」
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
偶然のこととは云いながら、二、三怪しき事件に逢い、疑惑容易に
解
(
と
)
き難きについては、先生のご意見承わりたく、左に列記
仕
(
つかまつ
)
り候。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「信濃一国は申すに及ばず、天下に天下を添えて賜るとも、秀頼公に
背
(
そむ
)
きて不義は
仕
(
つかまつ
)
らじ。重ねてかかる使をせられなば存ずる旨あり」
真田幸村
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「路相ひらき、中土より充実
仕
(
つかまつ
)
り候うへ、四方へ
出張
(
でばり
)
候形勢に相成り、東西南北とも自在に救応出来、左右前後控制仕り候ほどの形勢」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
▼ もっと見る
富「へい、お召に依って權六
罷出
(
まかりで
)
ました、お目見え仰付けられ、權六身に取りまして此の上なく
大悦
(
たいえつ
)
仕
(
つかまつ
)
り、有難く
御礼
(
おんれい
)
申上げ奉ります」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「どう
仕
(
つかまつ
)
りまして——」支配人は軽く頭を下げた。この男は長年カアネギーに使はれてゐるだけに、よく
富豪
(
かねもち
)
の気心を知つてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
先日差上げたる私案及び貴店編輯部案を
参酌
(
さんしゃく
)
して大体のことを決定
仕
(
つかまつ
)
り候間諸種の点に関し御懇談仕りたく、御多忙中恐縮に存じ
候得共
(
そうらえども
)
岩波茂雄宛書簡:01 一九三一年八月十七日
(新字新仮名)
/
野呂栄太郎
(著)
「母者、事が起った。恐らくは直ちに討手が差し向けられるに違いない。それに遅れてはうしろ指の種じゃ。宮内は一駈け
仕
(
つかまつ
)
る」
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
製産地直接取引ノ為メ日本ニ輸出
卸値
(
おろしね
)
ト同様多少ニ
拘
(
かかわ
)
ラズ勉強
仕
(
つかまつ
)
リ御便宜ノ為メ事務所トシテ日ノ出家ニ実物
取揃申居
(
とりそろえもうしおり
)
候
間
(
あいだ
)
御買上
被下度
(
くだされたく
)
候
踊る地平線:03 黄と白の群像
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
世界ニ類ナキ
銀鱗
(
ぎんりん
)
躍動、マコトニ間一髪、アヤウク、ハカナキ、高尚ノ美ヲ蔵シ居ルコト観破
仕
(
つかまつ
)
リ、以来貴作ヲ愛読シ居ル者ニテ、最近
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
良雪様、去年以来の御物語、失念
仕
(
つかまつ
)
らず、日々存じ出し、このたび当然の覚悟に罷成りかたじけなき次第に御座候。日ごろ御心易く御意を
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「されば、私は私の商売と、拝見
仕
(
つかまつ
)
りました。そのわけは。——どちらが、理ヤラ、非ヤラ。……リヤラ、ヒヤラ。リヤラ、ヒヤラ……」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、拙僧こそ。あの時は多忙にとりまぎれて、余儀なく失礼を
仕
(
つかまつ
)
りました、今日はごゆるりと、お話を承りたいと存じます」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「朝鮮へ
国替
(
くにかへ
)
仰せ付けられたく、一類
眷属
(
けんぞく
)
悉
(
こと/″\
)
く引率して彼地へ渡り、直ちに
大明
(
だいみん
)
に取って掛り、事果てぬ限りは帰国
仕
(
つかまつ
)
るまじき旨の
目安
(
めやす
)
」
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
左
(
さ
)
候わば幕府諸藩一人も服さざるはこれ有るまじくと存じ
奉
(
たてまつ
)
り候。幕府諸藩心服
仕
(
つかまつ
)
らずては
曠代
(
こうだい
)
の大業は恐れながら
覚束
(
おぼつか
)
なく存じ奉り候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「いや、どう
仕
(
つかまつ
)
りまして。警官共の失態はいずれ厳しく譴責いたしますが、この上は御随意にお引取り下すってよろしいので、丁度今しがた」
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
合衆国大統領は別段飛び離れたる願いは
仕
(
つかまつ
)
らず、合衆国人民へ過不及なき平等の儀、御許しのほど願いおり候ことに御座候。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「勝ちたくても、負けたくても、相手が
釜中
(
ふちゅう
)
の
章魚
(
たこ
)
同然手も足も出せないのだから、僕も
無聊
(
ぶりょう
)
でやむを得ずヴァイオリンの御仲間を
仕
(
つかまつ
)
るのさ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「種々御忠言は
深謝
(
しんしゃ
)
仕
(
つかまつ
)
るが、拙者には、いま申したような用がござる。妻や弟の
難儀
(
なんぎ
)
なぞ、致し方ないと諦めるばかりだ」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それからポツポツ様子を聞いてみると、その
木乃伊
(
ミイラ
)
親爺の商売は
見世物師
(
みせものし
)
なんだそうだ。成程と子供心に感心
仕
(
つかまつ
)
ったね。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一めいわく
仕
(
つかまつ
)
るはにがにがしき
御仕置
(
おしおき
)
にて、さんざんしほうけごんご道断なり。六月の日てりには七貧乏をかかげはちを
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「いやあ、これはお安くないところをお邪魔
仕
(
つかまつ
)
りまして、なんとも相済みません、ねえ、こちらの御主人さんへ——」
棺桶の花嫁
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
翌朝
御託
(
おわび
)
に出て昨夜は誠に失礼
仕
(
つかまつ
)
りましたと
陳
(
の
)
べる
訳
(
わ
)
けにも行かず、
到頭
(
とうとう
)
末代
(
まつだい
)
御挨拶なしに
済
(
すん
)
で仕舞た事がある。是ればかりは生涯忘れることが出来ぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
旅順陥落の翌々日、
船渠
(
せんきょ
)
船舶等艦隊の手に引き取ることと相成り、将校以下数名上陸いたし、私儀も上陸
仕
(
つかまつ
)
り
候
(
そろ
)
。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
入勝橋
(
にゅうしょうばし
)
というを渡れば山勢、渓流いよいよ非凡奇抜、ケチ臭い滝が
路
(
みち
)
の両側にあったが、名は
悉
(
ことごと
)
く忘却
仕
(
つかまつ
)
った。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
「
機織
(
はたお
)
りの声が致すのは、その
方
(
ほう
)
にも聞えような。これを題に一首
仕
(
つかまつ
)
れ。」と、御声がかりがございました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
朶雲拝誦
(
だうんはいしょう
)
、
先
(
まず
)
以
(
もっ
)
て老兄
足下
(
そっか
)
御勝常賀し奉候。
随
(
したが
)
つて小官無異勤学、御省念
是
(
これ
)
祈る。然れば御草稿拝見感吟の処少からず。仰せに従ひ
僭評
(
せんぴょう
)
并
(
ならび
)
に枕山評
仕
(
つかまつ
)
るべく候。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「貴下の撮影にかかる雪の結晶写真の中、側面より撮影されし写真多数を拝見
仕
(
つかまつ
)
り
候
(
そうろう
)
。
如何
(
いか
)
にして雪の結晶を垂直に立てられしや
御差支
(
おさしつか
)
えなくば
御洩
(
おもら
)
し
被下度候
(
くだされたくそうろう
)
」
雪雑記
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
……御依頼により埋葬
仕
(
つかまつ
)
……と小生とかの蕗屋の三人のみに
有之
(
これあり
)
……右につき
篤
(
とく
)
と御談合
申上度
(
もうしあげたく
)
……
郷表
(
ごうおもて
)
(一二字分不明)六三
中村
(
なかむら
)
……御一読の上は必ず火中……
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「とくと、
勘考
(
かんこう
)
仕
(
つかまつ
)
りますが、
府内
(
ふない
)
へ到着するまでには、
未
(
ま
)
だ未だ
余日
(
よじつ
)
もあること。到着の上にて——」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
全く日本の床の間は色彩と自然と芸術をなし崩しに放散して、日本人の生活に重い役目を
仕
(
つかまつ
)
っている。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
訴へ「近代、長門守殿内検地詰存外の上、
剰
(
あまつさ
)
へ高免の仰付けられ、四五年の間、牛馬書子令文状、他を恨み身を恨み、落涙袖を
漫
(
ひた
)
し、
納所
(
なっしよ
)
仕
(
つかまつ
)
ると雖も、早勘定切果て——」
島原の乱雑記
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
床の間に並べ有之候御
位牌
(
いはい
)
三基は、某が奉公
仕
(
つかまつ
)
りし細川越中守
忠興
(
ただおき
)
入道宗立三斎殿御事松向寺殿を
始
(
はじめ
)
とし、同越中守
忠利
(
ただとし
)
殿御事妙解院殿、同肥後守
光尚
(
みつひさ
)
殿御三方に候えば
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
只今
(
たゞいま
)
此處
(
これ
)
にて
呪
(
のろ
)
はるべくもあり、
恕
(
ゆる
)
さるべくもある
手前
(
てまへ
)
の
所行
(
しょぎゃう
)
を
告發
(
こくはつ
)
もし、
辯解
(
べんかい
)
も
仕
(
つかまつ
)
りませう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「何を感服
仕
(
つかまつ
)
るんだ。岡っ引が店賃を溜めりゃ、お上から御褒美でも出るって言うのかい」
銭形平次捕物控:089 百四十四夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔話の
綱
(
つな
)
や
金時
(
きんとき
)
のように、
頼光
(
らいこう
)
の枕もとに物々しく
宿直
(
とのい
)
を
仕
(
つかまつ
)
るのはもう時代おくれである。
半七捕物帳:01 お文の魂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
篤
(
とく
)
と
吟味
(
ぎんみ
)
仕
(
つかまつ
)
りし
上
(
うへ
)
御
請
(
うけ
)
申し
上
(
あぐ
)
べしと申しければ大岡殿願ひ人七右衞門并に
駕籠舁
(
かごかき
)
久七を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大戦前、しばらくの間独帝に仕えた折りのこと、朕を毒殺するも容易であろうといったカイゼルに対して、フランス人は不意討ちなどは
仕
(
つかまつ
)
りませぬと敢然といい放ったものだという。
世界の「料理王逝く」ということから
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「実は伯父ご様の御文中にも若干の学資を持たせ遣したりとあれば、それを
此方
(
こちら
)
へ御預かり申さんとは存ぜしが、金銭の事ゆえ思召す所を
憚
(
はば
)
かりて黙止たりしが残念の事を
仕
(
つかまつ
)
りたり」
良夜
(新字新仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「それはそれは恐れ入りました。御用もあらば
此方
(
こちら
)
より、早速推参
仕
(
つかまつ
)
りましょうに」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「閣下、実は旧冬から九州へ出掛けましたので——或は新聞上で御覧になりましたことかとも愚察
仕
(
つかまつ
)
りまするが、
此度
(
このたび
)
愈々
(
いよ/\
)
炭山坑夫の同盟罷工が始まりさうなので御座りまして——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
念のため
予
(
あらかじ
)
め御注意申上げ置き候えども、万一小生の希望に反し、明日御宿もとにてロジオン・ロマーヌイチに遭遇致すようの事これ有り候わば、小生は止むを得ず即刻退去
仕
(
つかまつ
)
るべく
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
死亡承諾書、私
儀
(
ぎ
)
永々
御恩顧
(
ごおんこ
)
の
次第
(
しだい
)
に
有之候儘
(
これありそうろうまま
)
、
御都合
(
ごつごう
)
により、
何時
(
いつ
)
にても死亡
仕
(
つかまつ
)
るべく候年月日フランドン
畜舎
(
ちくしゃ
)
内、ヨークシャイヤ、フランドン農学校長
殿
(
どの
)
とこれだけのことだがね
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「私は昔、大殿様のお供をして熱海の温泉へまいったことがございます。もう三十何年かになりますが、その折り感心
仕
(
つかまつ
)
ったことがございますから、ご参考のためにお話し申しあげます」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
御懇情に対し御礼の言葉を知らない、早速御返事
可申上筈
(
もうしあぐべきはず
)
の処、俗務繁多にて延引
仕
(
つかまつ
)
り何とも申訳がないが、では折角の事であるから、そのお方にお目に懸らして戴こうと存ずる、当方は
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「身に覚なきはおのづから楽寝
仕
(
つかまつ
)
り衣裳付
自堕落
(
じだらく
)
になりぬ。又おのれが身に心遣ひあるがゆへ夜もすがら心やすからず。すこしも寝ざれば
勝
(
すぐ
)
れて一人帷子に皺のよらざるを吟味の種に仕り候」
西鶴と科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
『よろしい!』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
がお
叫
(
さけ
)
びになりました。『
汝
(
なんぢ
)
、
毬投
(
まりな
)
げを
仕
(
つかまつ
)
るか?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
恐縮
仕
(
つかまつ
)
ったというところを読んで、何だかにやりとしてしまいました。
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ありがたいやら嬉しいやら、中席十日を限ってさらに御礼興行
仕
(
つかまつ
)
りますれば、銀座柳も蘇る今日、昔恋しい三遊柳、当時の繁昌
喚
(
さけ
)
ばしめたまえと、新東京の四方様方に、伏してお願い申し上げます。
寄席行灯
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
“仕”を含む語句
仕舞
給仕
仕合
仕損
仕掛
仕様
給仕人
仕事
仕込
奉仕
不仕合
召仕
仕度
仕方
仕出
仕切
仕丁
仕立
仕遂
出仕
...