『南京の基督(なんきんのキリスト)』
或秋の夜半であつた。南京奇望街の或家の一間には、色の蒼ざめた支那の少女が一人、古びた卓の上に頬杖をついて、盆に入れた西瓜の種を退屈さうに噛み破つてゐた。 卓の上には置きランプが、うす暗い光を放つてゐた。その光は部屋の中を明くすると云ふよりも …
作品に特徴的な語句
羞(はづか) 双(さう) 襯衣(したぎ) 卓(テエブル) 悉(ことごとく) 画舫(ぐわばう) 恍惚(くわうこつ) 明(あかる) 癒(なほ) 仰向(あふむ) 小舸(せうか) 怯(お) 未(いまだ) 殆(ほとんど) 煩(わづら) 癒(いや) 眩(まばゆ) 祈祷(きたう) 翡翠(ひすゐ) 茫然(ばうぜん) 蒼白(あをじろ) 頬杖(ほほづゑ) 鮮(あざやか) 上海(シヤンハイ) 何時(なんどき) 再(ふたたび) 冗談(じようだん) 呆気(あつけ) 咄嗟(とつさ) 啣(くは) 喚(よ) 喪心(さうしん) 噛(かじ) 塞(ふさが) 夜々(よなよな) 尤(もつと) 巾地(きれぢ) 廟(べう) 徐(おもむろ) 愛嬌(あいけう) 慌(あわただ) 拍子(ひやうし) 擦(こす) 滑(なめら) 燐寸(マツチ) 燻(いぶ) 猶更(なほさら) 真鍮(しんちゆう) 華奢(きやしや) 蒼(あを) 蟋蟀(こほろぎ) 西瓜(すゐくわ) 詰(なじ) 跪(ひざまづ) 降(くだ) 飯館(はんくわん) 鳳凰(ほうわう) 一言(ひとこと) 仄(ほの) 仔細(しさい) 佇(たたず) 何処(どこ) 何時(いつ) 倚(よ) 健気(けなげ) 光沢(つや) 凭(もた) 刎(は) 剥(は) 南京(ナンキン) 呟(つぶや) 啓(ひら) 囁(ささや) 土産(みやげ) 垢(あか) 埃(ほこり) 埃臭(ほこりくさ) 基督(キリスト) 容子(ようす) 寧(むし) 尠(すくな) 帷(とばり) 弗(ドル) 彼是(かれこれ) 必(かならず) 忽(たちま) 怨(うら) 憚(はばか) 我儘(わがまま) 括(くく) 挾(はさ) 敬虔(けいけん) 旨(うま) 昨夜(ゆうべ) 暫(しばら) 更(ふ) 朧(おぼろ) 櫂(かい) 欠伸(あくび) 歴々(ありあり)