龍虎りゅうこ)” の例文
新字:竜虎
天颷てんぴょう一陣! ものすごい殺気が、みるまにふたりのあいだにみなぎってきた。ああ龍虎りゅうこたおれるものはいずれであろうか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
煙草たばこの煙りを口へ吸って、それを口から吐き出して、やなぎ蹴毬けまりとか、仮名かな文字とか、輪廓だけの龍虎りゅうことかそういうものを空へかいて、見物へ見せる芸なのである。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さよう。近ごろ家康いえやすと秀吉とは、たがいに、たまをあらそう龍虎りゅうこのかたち。その仲の悪いところをつけこんで、こんどは家康のふところへいいる算段さんだんが、第一かと考えます」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
龍虎りゅうこのあいだにけられてある争奪そうだつの珠。それが、播州ばんしゅう一国だった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壮漢そうかん木村又蔵きむらまたぞうとならんで、加藤かとう龍虎りゅうこといわれている井上大九郎。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)