黙止もだ)” の例文
旧字:默止
母のことば黙止もだし難くて、今日山木の宴に臨みつれど、見も知らぬ相客と並びて、好まぬさかずきぐることのおもしろからず。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
両人様々に証拠をとりて詫言わびごと申せしゆゑ、久政も黙止もだしがたく、然らばとて免許ありて差置かれけるに、此間このあいだ信長陣替の時丁野ちょうの若狭守と共に討つて出で合戦し、織田勢あまた討捕りしかども却て
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
離婚問題の母子おやこの間に争われつるかの、武男が辞色の思うにましてはげしかりしを見たる母は、さすがにその請いに任せて彼が帰り来るまでは黙止もだすべき約をばなしつれど
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)