黄金色わうごんしよく)” の例文
きたない黄いろをしてゐる病衣が日に照らされて、黄金色わうごんしよくふちを取つたやうに見えた。
遠くからと云ふのは、天の川の黄金色わうごんしよくをした帯が黒い海水に接した所から見るのである。そこから見れば、此島は額の広い獣のやうである。獣は曲つた毛むくじやらな背をしてゐる。
センツアマニ (新字旧仮名) / マクシム・ゴーリキー(著)
夜はいとあかけれど、強く寒き風はたちまち起りぬ。まさに没せんとする日はさかりなる火の如く、天をば黄金色わうごんしよくならしめ、海をば藍碧色らんぺきしよくならしめ、海の上なる群れる島嶼たうしよをば淡青たんせいなる雲にまがはせたり。
ヴエスヴイオ山 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
うづまく黄金色わうごんしよくの光ばかりが響きまはる。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)