黄葉きば)” の例文
林は全く黄葉きばみ、蔦紅葉つたもみぢは、真紅しんくに染り、霧起る時はかすみへだてて花を見るが如く、日光直射する時は露を帯びたる葉毎に幾千万の真珠碧玉を連らねて全山もゆるかと思はれた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
足元は丘がピトロクリの谷へ落ち込んで、眼の届くはるかの下が、ひらたく色でうずまっている。その向う側の山へのぼる所は層々とかば黄葉きばが段々に重なり合って、濃淡の坂が幾階となく出来ている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わが故郷ふるさとは、赤楊はんのき黄葉きばひるがへる田中路たなかみち
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
わが故郷は、赤楊はんのき黄葉きばひるがへる田中路
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)