くぐい)” の例文
楼閣をめぐっては、珊瑚瑪瑙などの宝樹が、七重に並んで居る。宝樹の枝から枝へと飛び交うて居る、色々様々な諸鳥は、白くぐい、孔雀、舎利、伽陵頻迦、共命ぐみょうなどの鳥であろうと思った。
極楽 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
くぐいの声とに暮れて行くイタリアの水の都——バルコンにさく薔薇ばら百合ゆりも、水底みなそこに沈んだような月の光に青ざめて、黒いひつぎに似たゴンドラが、その中を橋から橋へ、夢のようにいでゆく
大川の水 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
湯河板挙ユカハダナの精霊の人格化らしい人名に、天湯河板挙があって、くぐいいながら、御禊ぎの水門ミナトを多く発見したと言うている。地上の斎河ユカハを神聖視して、天上の所在と考えることもできたからである。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ですが、何より先に、あなたのような美しいくぐい
平気な様子で、くぐいの王があつかましく
くぐいも泳いで来る。静かに漂って