鯨飲げいいん)” の例文
旧字:鯨飮
カストリ焼酎などという何が何やら、わけのわからぬ奇怪な飲みものまで躍り出して来て、紳士淑女も、へんに口をひんまげながらも、これを鯨飲げいいんし給う有様である。
酒の追憶 (新字新仮名) / 太宰治(著)
れが以前のような大酒では迚も助かる道はないが、幸に今度の全快は近年節酒のたまものに相違ないといったのを覚えて居るから、私が生涯鯨飲げいいんの全盛はおよそ十年間と思われる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
鯨飲げいいんすると、心の窓がひらけ、自然、からりと気が晴れるらしい。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一隅に割拠かつきよしたる五六の猛士、今を盛りの鯨飲げいいん放言
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
お静は驚いて、その鯨飲げいいん振りを眺めました。
元気な船長といっしょに鯨飲げいいんしていた。
ソレはさて置き、私の摂生は明治三年、三十七歳大病の時から一面目を改め、書生時代の乱暴無茶苦茶、ことに十年間鯨飲げいいんの悪習を廃して、今日に至るまで前後凡そ四十年になりますが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)