うなさ)” の例文
しかし彼は、余りに米が沢山にあるので、貧乏人の子が黄金の中へ寝かされたように、少しとろとろとするとうなされていた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜はけて一際ひときわしんと致しますと、新吉は何うも寝付かれません。もう小一時こいっときったかと思うと、二畳の部屋に寝て居りました馬方の作藏がうなされる声が
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と、その時まで黙々として、要介たちに従いて来ていた源女が、恐ろしそうな声でうなされるように云った。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
(うむ、)といって長く呼吸いきを引いて一声ひとこえうなされたのは婦人おんなじゃ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのくせよるになるとうなされたり
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
(うむ、)といつてなが呼吸いきいて一こゑうなされたのは婦人をんなぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)