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鬼婆
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おにばば
ふりがな文庫
“
鬼婆
(
おにばば
)” の例文
蝶子も客の手前、粋をきかして笑っていたが、泊って来たりすれば、やはり折檻の手はゆるめなかった。近所では蝶子を
鬼婆
(
おにばば
)
と蔭口たたいた。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
日本にては
山姥
(
やまうば
)
鬼婆
(
おにばば
)
共に純然たるウイツチならず。支那にてはかの
夜譚随録
(
やたんずゐろく
)
載する所の
夜星子
(
やせいし
)
なるもの、
略
(
ほぼ
)
妖婆たるに近かるべし。(二月八日)
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
われわれの仲間でも、あいつの所へ出入りした人間は、どうしてたいへんな数だぜ。ただ恐ろしい
鬼婆
(
おにばば
)
だがね……
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
彼女
(
あい
)
の事じゃ、わたしも実に困いましたよ。銭はつかう、
悴
(
せがれ
)
とけんかまでする、そのあげくにゃ
鬼婆
(
おにばば
)
のごと言わるる、得のいかン
媳御
(
よめご
)
じゃってな、山木さん——。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
口をきいてるのを聞くと憲兵かとも思われ、酒を飲んでるところを見ると
馬方
(
うまかた
)
かとも思われ、コゼットをこき使ってるところを見ると
鬼婆
(
おにばば
)
とも思われるほどだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
この
鬼婆
(
おにばば
)
アの子供ではなかった、という発見は私の胸をふくらませ、私は一人のとき、そして寝床へはいったとき、どこかにいる本当の母を考えていつも幸福であった。
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
もし気分がそのまま外に現われるとしたら自分の顔は
半腐
(
はんぐさ
)
れの
鬼婆
(
おにばば
)
のようなものだろう。彼女は興味を持って、
手提鞄
(
てさげかばん
)
の鏡をそっと
覗
(
のぞ
)
いて見る。そこには不思議な娘が
曲馬団
(
きょくばだん
)
の馬を夢みている。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「あゝ、それは
鬼婆
(
おにばば
)
ですよ」
首席と末席
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
母の来たことは知らないんだ! あの
鬼婆
(
おにばば
)
め、鉛筆で日付を書いてるって!……どっこい、そんな手に乗るもんか!……だって、それはまだ事実じゃなくて
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「おおい、アリョーナ・イヴァーノヴナ、
鬼婆
(
おにばば
)
あ! リザヴェータ・イヴァーノヴナ、絶世の美人! あけてくれたまえ! ええ、いまいましい、やつら寝てやがるのかな?」
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
鬼
常用漢字
中学
部首:⿁
10画
婆
常用漢字
中学
部首:⼥
11画
“鬼婆”で始まる語句
鬼婆々