髪結かみい)” の例文
旧字:髮結
髪結かみいさんも上手だと見えて大層恰好かっこうに出来ました事、いゝ事ね、何て………まだ島田が惜しいようですね、はゝゝかえって凛々りゝしくてね、丸髷の方が宜しゅうございますよ
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
三人が同じ食卓で朝飯あさめしを済ますやいなや、母が昨日涼しいうちにと頼んでおいた髪結かみいが来た。あらたての白い胸掛をかけて、敷居越しきいごしに手を突いた彼女は、御帰りなさいましと親しい挨拶あいさつをした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
母は御結おいいよ久しぶりにといざなった。髪結かみいは是非御上げ遊ばせな、私始めて御髪おぐしを拝見した時から束髪そくはつにしていらっしゃるのはもったいないと思っとりましたとさもいたそうな口ぶりを見せた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)