駈入かけい)” の例文
彼はほこを取直すと、ふたたび乱軍の中に駈入かけいった。暗い中で敵味方も分らぬほどの乱闘のうちに、李陵の馬が流矢ながれやに当たったとみえてガックリ前にのめった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
お百合、いきを切って、つまもはらはらとげ帰り、小家こやの内に駈入かけいり、隠る。あとより、村長畑上嘉伝次はたがみかでんじ、村の有志権藤ごんどう管八、小学校教員斎田初雄、村のものともに追掛おっかけ出づ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)