駆逐艦くちくかん)” の例文
そして大きくはねをひろげて北の方へげ出そうとしましたが、もうそのときは駆逐艦くちくかんたちはまわりをすっかり囲んでいました。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
港の入口の暗礁へ一隻の駆逐艦くちくかんつかって沈んでしまったのだ。鉄工所の人は小さなランチへ波のしのぎに長い竹竿を用意して荒天のなかを救助に向かった。
(新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
命じました。ただいま偵察第十二戦隊が出発いたしました。また駆逐艦くちくかん六隻も現場にむけて出発いたしました
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
広東カントン人の用心深さが麻雀マアジャン、私から一千ドルをサルーンから投出してしまった。黄海は日本の駆逐艦くちくかんのマストが見える、夜は外人達によって舞踊会は傾いた部屋を旋回している。
恋の一杯売 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
この艇と、駆逐艦くちくかんが、海上捜索に出たんです。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
攻撃力の弱い旧型駆逐艦くちくかんの如きは、敵の航空母艦に撃沈されるのは覚悟の上で、それでも万一天佑てんゆうがあって撃沈までの時間が伸びるようだったら、その機をはずさず
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
スミス警部の乗った駆逐艦くちくかんは、それに応ずるように、きゅうに進路をまげて隊列をはなれた。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おひるごろになると、どこから来たのか、駆逐艦くちくかんだの、変な形をした軍艦とも商船ともわからない船だのが、およそ十せきほども集ってきて、沖はなかなかにぎやかになりました。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
というと、そこはちょうど香港ホンコンを真南に三百五十キロばかりくだった海面であるが、警備中のわが駆逐艦くちくかん松風は、一せきのあやしい中国船が前方を南西へむかって横ぎっていくのを発見した。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「救いの駆逐艦くちくかんを呼べ!」
太平洋雷撃戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)