馬廻うままわり)” の例文
且つ、「格別の御詮議を以て御納戸組おなんどぐみ馬廻うままわり格に加入仰付られ候事」というので無上の面目を施して退出した。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
式をおこなった翌日から、夫婦は終日渋江の家にいて、夜更よふけて矢川の家へ寝に帰った。この時文一郎はあらた馬廻うままわりになった年で二十九歳、陸は二十三歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
馬廻うままわりなにがしとかいう若者で、笠井忠也ではなかった。しかしその男は云った。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それは大島政平おおしままさへいと云うお馬廻うままわりであった。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
数寄者を驚かすった一構え……如何にも三百五十石の馬廻うままわり格には過ぎた風情ふぜいであった。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これよりしも二人立ににんだち、三人立等となり、遂に馬廻うままわり以下の一統礼に至るのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
馬廻うままわり以上は長上下なががみしも徒士かち半上下はんがみしもである。下々しもじもの者は御香奠ごこうでんを拝領する。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)