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餬口
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ここう
ふりがな文庫
“
餬口
(
ここう
)” の例文
しかるに、余のみるところにては、家相家に富有のものなく、その多くは日々の
餬口
(
ここう
)
に追われておるありさまであるが、これでは人に説いても人が心服せぬ。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
しかし
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
李九齢
(
りきうれい
)
は窓前の流水と枕前の書とに悠悠たる
清閑
(
せいかん
)
を領してゐる。その点は甚だ羨ましい。僕などは売文に
餬口
(
ここう
)
する為に年中
匇忙
(
そうばう
)
たる思ひをしてゐる。
野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「セチ辛い浮世だ、そうでもないヤクザが、僅の
餬口
(
ここう
)
にあり付こうと、柄にもない芝居を打つこともある。もしも其奴がそんな玉なら構うことはござらぬ、叩っ切りなさい」
首頂戴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
渠
(
かれ
)
は
旧
(
もと
)
旗本の
嬢
(
むすめ
)
なりき、幼にして両親を失い、嫁して
良人
(
おっと
)
を失い、人に計られて
財
(
たから
)
を失い、
餬口
(
ここう
)
のために家を失い、軒下に眠ること実に旬余、辛酸を喫して
癪
(
しゃく
)
に閉じられてすでに絶せんとせるとき
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
餬
漢検1級
部首:⾷
18画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“餬”で始まる語句
餬