飯櫃形いびつなり)” の例文
ひたいの出た、頭の大きい、鼻のしゃくんだ、黄色い顔が、その長さ、大人おとなの二倍、やがて一尺、飯櫃形いびつなり天窓あたまにチョンまげを載せた、身のたけというほどのものはない。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すらりと飯櫃形いびつなりの猿ヶ馬場ばんばに、吹溜ふきたまった落葉を敷いて、閑々と静まりかえった、うもれ井戸には桔梗ききょうが咲き、すすき女郎花おみなえしが交ったは、薄彩色うすさいしきしとねのようで、上座かみくらに猿丸太夫、眷属けんぞくずらりと居流れ
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)