飛鳥井あすかい)” の例文
またこの両三日中の訪問者には、京都の名だたる貴紳きしん網羅もうらしているといってよい。菊亭晴季きくていはるすえを始め、徳大寺、飛鳥井あすかい鷹司たかつかさの諸卿。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
催馬楽さいばら飛鳥井あすかいを二人で歌ってから、源氏の不在中の京の話を泣きもし、笑いもしながら、宰相はしだした。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
まず飛鳥井あすかいであるが、これは定家の門弟飛鳥井雅経まさつねにはじまって、教定のりさだ雅有まさありと来、雅有は『隣女和歌集りんじょわかしゅう』(『群書類従』和歌部)を残し、『嵯峨の通ひ路』を書いて
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
「俺は飛鳥井あすかい右京次郎だ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けれど彼は、何をして遊んでもそれにおぼれない自己をいつも持っていた。相国寺そうこくじへ三条、烏丸からすまる飛鳥井あすかいの諸卿を招いて、蹴鞠けまりを催したときである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
飛鳥井あすかい雅賢だの、徳大寺実久さねひさだの、花山院忠長だのというもっと溌剌としたものもあって、武家とちがって、めいめい貧乏のくせにどう金の工面をしてくるのか、いつも扇屋に来ては
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)