飛切とびき)” の例文
台湾館の中では選抜よりぬ飛切とびきりの台湾生れの別嬪べっぴんが、英語ペラペラで烏龍茶の講釈をしながら一枚八セント芭蕉煎餅ばしょうせんべいを出してお給仕をする。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
よし一つや二つ何か立派などっしりした物があったにしても、古今に通じて世界第一無類飛切とびきりとして誇るには足りないような気がする。然らば何をか最も無類飛切りとしようか。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
欧羅巴全体が敵も味方も咽喉のどを鳴らして待っている極上ごくじょう飛切とびきりの紅茶バッカリと、かねずくを通り越したお客バッカリ満載しているんだからね。紀州の蜜柑船みかんぶねどころの騒ぎじゃない。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)