頼房よりふさ)” の例文
先々代頼房よりふさも、よく能はたしなんだが、光圀みつくにも好きである。こんどの案内には、特にこういう意味のことばが添えてあった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みまいに来られた水府(水戸頼房よりふさ)卿が、「つな宗どの若年なれば、兵部どのにはよくよく家中の取締りをたのむ」
昼間、永野ながの九十郎という旧家臣が、能役者の仲間にじって、宴楽えんがくに来たのを、当主の頼房よりふさが見つけて
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頼房よりふさの側室久子ひさこを母として生れたが、生れ出る時から、父の家庭に、ひと方ならぬわずらいを起したらしい。……それがため父は、悩みに悩んだあげく、妊娠みごもっているわしの母へ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)