頂門ちょうもん)” の例文
かならずしも私にとって頂門ちょうもん一針いっしんというわけのものでも無かったし、また、あなたの大声叱咤しったが私の全身を震撼しんかんさせたというわけでも無かったのです。
風の便り (新字新仮名) / 太宰治(著)
めしいの悲しさ、刀を持つすべは知らないが、鍼を持っては人におくれを取ろうとも覚えない、今打ったのは、十四経にも禁断の鍼として、固く戒めている頂門ちょうもん死針しにばり、どうもがいても助かりようは無い
禁断の死針 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
その反対に今の新人はその基本作因に自信がなく、ぐらついている、というお言葉は、まさに頂門ちょうもん一針いっしんにて、的確なものと思いました。自信を、持ちたいと思います。
自信の無さ (新字新仮名) / 太宰治(著)
「いかにも、これは大変だ。——頂門ちょうもん一針いっしんとはこのことだ」