“革巾着”の読み方と例文
読み方割合
かわぎんちゃく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は遂に、今夜は食べずにしのぐときめて、一度の飯代にと残しておいたわずかな銭を、革巾着かわぎんちゃくの底を払って、皆、その男に与えてしまった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又八は懐中ふところから、革巾着かわぎんちゃくを取り出した。少しくらいは、と思いながらいつのまにかこの革巾着の金も三分の一になっていた。その残りの底をはたいて
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お蝶は蒲団ふとんの中で父の革巾着かわぎんちゃくを胸のところに抑えていました。——必死となれば切通しの晩の如く、日本左衛門に向って匕首あいくちをひらめかす程なかの女も、さすがに、父親はこわい。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)