“静無(しどな)” の例文
彼の階子(はしご)を下り行くと斉(ひとし)く貴婦人は再び鏡(グラス)を取りて、葉越(はごし)の面影を望みしが、一目見るより漸含(さしぐ)む涙に曇らされて、忽(たちま)ち文色(あいろ)も分かずなりぬ。彼は静無(しどな)く椅子に崩折(くづを)れて、縦(ほしいま)まに泣乱したり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)