靈岸島れいがんじま)” の例文
新字:霊岸島
のおなじ火事くわじに、靈岸島れいがんじまは、かたりぐさにするのも痛々いた/\しくはゞかられるが、あはれ、今度こんど被服廠ひふくしやうあとで、男女だんぢよ死體したい伏重ふしかさなつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こゝに又遠州水呑村の先名主せんなぬし惣内夫婦は九郎兵衞が計ひに任せて江戸表へ出府なし靈岸島れいがんじまへんに國者の居るを便りて參り此者の世話にて八町ぼり長澤ながさは町の裏店うらだな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
靈岸島れいがんじまの瀧五郎といふ土地の御用聞が、子分と一緒に朝つから詰め切つて、御檢屍前に下手人げしゆにんの目星でもつけようと、一生懸命の活躍を續けてゐる眞つ最中でした。
平次が富崎佐太郎をつれて、八丁堀の組屋敷へ行つた時、丁度靈岸島れいがんじまの瀧五郎は、泣き濡るゝお袖に繩を打つて、おろ/\する初太郎を後ろに、最も派手に八丁堀へ乘込んで來た時でした。
靈岸島れいがんじまの瀧五郎も、袋路地に突き當つたやうな顏をするのです。
見てくれ、俺は一寸靈岸島れいがんじままで行つて來る