しずく)” の例文
けってる翼のように広がった橅の枝からは雪解けのしずくが落ちていた。牧場をおおうている白いマントを通して、柔らかい緑色の草の細芽がすでにえ出していた。
しずくするまでもないが、しっとりとする帽子を脱いで、額を手布ハンケチで、ぐい、とぬぐった。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そいつを縫うようにして赤黒いしずくの跡がポタリポタリ……
三狂人 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)