陸奥紙みちのくがみ)” の例文
旧字:陸奧紙
その夜平中は席にいたゝまれない心持で暫く席を外していたのであったが、昔の恋人が時平にらっし去られるのを見てはこらえきれなくなったのであろう。あり合う陸奥紙みちのくがみ
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
陸奥紙みちのくがみに包みし細身の剃刀かみそりこそづるなれ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
源氏物語末摘花すえつむはなの巻の終りの方に、「いといとほしとおぼして、寄りて御硯おんすゞりかめの水に陸奥紙みちのくがみをぬらしてのごひ給へば、平中がやうに色どり添へ給ふな、赤からんはあへなんとたはぶれ給ふ云々うんぬん
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)