附会こじつ)” の例文
旧字:附會
私の歴史の点が悪かつたのは、私が歴史と名づけるものと、先生や学校当局が歴史と名づけるものとが相違して居たためであつたと、附会こじつけられぬこともなからう。
落第と退校 (新字旧仮名) / 丘浅次郎(著)
「いやいや、なんでもないのだよ。じつは、ちょっと他のものに、附会こじつけていたんだがね」
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
強いて附会こじつければ、癩者かたいの膝頭とでも言うべき体裁だが、銅の色してつらつらに光りかがやく団々だんだんたる肉塊の表に、筋と血の管のあやがほどよく寄集まり、眼鼻をそなえた人のつら宛然さながらに見せている。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)